オランダにはオリボーレンという、伝統的なパン菓子のような食べ物があります。
大晦日に食べるのが定番ですが、実際には秋ころから売り出していて、春先まで買うことができます。
そのオリボーレンについて、種類や売っている場所、食べ方、歴史についても簡単にお伝えしていきます。
冬に食べるお菓子・オリボーレンとは?
Oliebollen
オリボーレンとは、オランダで生まれたパン菓子の一つ。
「オリボーレン」(Oliebollen) は複数形で、1個だけならオリボール (Oliebol) と言う。
こぶし程の大きさの丸い揚げパンのようなもので、外はカリッとしていて中身はモッチリとした食感が特徴!
その種類には、主に次の2種類が挙げられます。
- Oliebollen:プレーンタイプ
- Krenten / Rozijnenbollen:レーズン入り
販売する時期と場所
オリボーレンはオランダに限らずベルギーでも売っていて、ほとんどのお店は移動式の屋台。
商店街の近くにある広場や屋外マーケット、移動式遊園地「ケルミス」、クリスマスマーケット、スキポール空港の外にも出没しています。
- 屋台の呼び名:オリボーレンクラーム (Oliebollenkraam)
販売時期は、早いところでは9~10月頃から始まり、年が明けて春先まで売っているお店もあります。
こんな感じで、お店 (屋台) のデコレーションは様々!
オリボーレンの値段は、ほとんどのお店で1個 €1〜1.5ユーロ。
まとめて買うと6個で€5ユーロ、12〜14個で€10ユーロというように、安く売ってるお店もあります。
屋台ではこのような紙袋に、粉砂糖 (小さな袋) もいっしょに入れて渡してくれます。
オリボーレンと似たようなものでアップルやバナナの入ったものや、ドイツのベルリーナー、ベルギーワッフルなど、さまざまなお菓子を取り揃えている屋台もあります。
スーパーマーケットでも年末に近づくと売り出されますが、粉砂糖は別途で購入。
オリボーレンの食べ方
オリボーレンは、粉砂糖をまぶして食べるのが一般的。
屋台で買ってすぐに食べるのでしたら、上の写真のようにパウダーシュガーをかけてもらえます。
一番のオススメは、なんと言ってもホッカホカの出来立て!
しかしながら、たくさん作り置きしているので、出来立ててが買えるのはタイミング次第。
それでは、持ち帰って冷たくなったオリボーレンは、どのようにして食べるのか?
✅ 適度に温めると美味しくいただけます😋
- オーブン:160度で予熱をしてから約6分間、180度なら約5分
- 電子レンジ:まとめて約10個なら700Wで2分間、1〜2個だけなら約30秒
※電子レンジを使う場合は、キッチンペーパーを敷いて上にもかぶせましょう!
そして、温まったらパウダーシュガーを振りかけて出来上がり!
電子レンジで温めると、カリッとした食感は失われるので、オーブンを使う方がオススメ。
あまり気にしなければ、レンジの方が早く簡単に温められます!
🟣オリボーレンを食べる際の注意点!
粉砂糖が飛び散り、手や洋服が白くなってしまう事を覚悟の上でいただきましょう!(笑)
オリボーレンの歴史を簡単に!
オリボーレンの起源はハッキリとしていませんが、すでに中世の頃にはあったようで、それが証拠となる絵画も存在しています。
『Jonge vrouw met een kookpot vol oliebollen』
(オリボーレンでいっぱいの鍋を持つ若い女性)
こちらは1652年頃の絵画で、オランダの画家「アルベルト・カイプ」(Aelbert Cuyp) による作品。
ドルドレヒト美術館 (Dordrechts Museum) で見ることができます。
絵画を見るとオリボーレンは丸い形をしていますが、最初の頃は平なケーキでオリクーク (Olykoek) と呼ばれていました。
1667年に書かれたオランダ北部の料理本「de Verstandige kok」には、オリボーレンのレシピが記載されています。
脂肪とカロリーが豊富で満腹感も満たすことから、寒い冬には最適な食べ物。
年末の伝統的な食べ物になった経緯 (イキサツ) は、貧しい人々の間で幸せな新年を願う引き換えとして、この食べ物を手に入れました。
そして、オリボーレンを大晦日に食べることが定着したのは、19世紀になってからのこと。
このように何百年にも渡って食されていて、なんとなく年越し蕎麦と似たような風習でもありますね。
おわりに
大晦日に限らず秋から春先にかけて、いつでも食べることができるオランダ伝統のお菓子。
冬に近づくと各地に出没してくるオリボーレンの屋台で、是非とも味わってみたい食べ物です!