オランダの中で美しい都市のひとつにも挙げられるアメルスフォールト。
750年以上の歴史がある街には、今でも中世の時代に築かれた城塞都市の雰囲気を体験できます。
Amersfoort
美しい街並みや公園を散策して、カフェ・レストランでくつろいだり、ミュージアムで芸術鑑賞するなど、楽しみ方はさまざま。
あまりメジャーな都市でないかもしれませんが、それ故にアメルスフォールトで是非とも見ておきたいスポットを、まとめてお伝えしていきます。
⒈アメルスフォールトの都市門・コッペルポート
Koppelpoort
まずはじめに、アメルスフォールトを象徴する建造物が、城塞都市の門であるコッペルポート。
中世の頃、都市を出入りをするゲートで、オランダ唯一の水陸両用の門でもありました。
- 建築:1380〜1425年
この門は城壁の一部として建てられ、1885〜1886年に修復されたのが、今に見られる姿となっています。
中世の雰囲気を残した風格のある美しい建造物なので、是非とも見ておきたいスポット !!
通路側の門を通り抜けて、門の裏側も要チェックです。
日が暮れるとゲート全体がライトアップされて、一味違った風景も見られますよ!
◾️地図の表示
こちらは、9分弱の街歩きのバーチャル動画です。
⒉モンドリアン・ハウス (ミュージアム)
Mondriaanhuis
アメルスフォールトで絶対に見ておきたいミュージアムのひとつが、このモンドリアン・ハウス。
抽象画家として世界的に有名なアーチストの『ピート・モンドリアン』は、この家で生まれ子供の頃まで過ごしていました。
Pieter Cornelis Mondriaan (1872年3月7日〜1944年2月1日)
この家がミュージアムとして公開されたのは1994年のこと。
モンドリアンの作品は抽象絵画が有名ですが、こちらのミュージアムでは主に初期の頃に描いた風景画などの作品を展示。
その他には、彼に関する資料を年代ごとに展示しているのも見所です。
パリで過ごした頃の部屋やアトリエ、モンドリアン本人の映像も映し出して、当時の様子を再現しています。
そういえば、モンドリアンさんを見かけました。
— アルト・オランダ (@Artoshack) June 12, 2021
何やらキッチンで仕度中🤔
🇳🇱Mondriaan house pic.twitter.com/zSvkCwftE2
受付にはミュージアムショップもあり、モンドリアン独特のデザインを施したお土産品や、たくさんのポストカードも取り揃えてありますよ。
🔵モンドリアン・ハウス詳細
◾️営業時間
火〜日曜日 10:00 ~ 17:00
◾️入場料金
18歳以上 €12.5 / 6〜17歳 €8 / 5歳以下・ミュージアムカード 無料
◾️地図の表示
こちらはミュージアムではありませんが、街中にモンドリアン調のデザインのベンチシートも見かけられます !!
場所は、ボートツアーのチケット販売所「Waterlijn Rondvaarten」
◾️地図の表示
⒊フレヒティ・ミュージアム
Museum Flehite
こちらは、アメルスフォールトの歴史と文化を紹介している博物館。
27,000点にも及ぶコレクションを所蔵しており、中世の絵画や考古学によって発掘された陶器などを展示しています。
昔は写真というものがありませんが、絵画を通じて当時の風景や街の様子が分かります。
絵画と実際の街を見比べてみると、似たような場所がいくつも見かけられますよ !!
展示してある中世の地図で、城塞都市の構成が見られます !!
アメルスフォールトは、2つの城壁で構成されていました。
最初の都市は内側にある小さな円形の部分で、その後に大きな楕円を描くように都市が拡張され第2の壁が築きあげられました。
近代におけるコレクションでは、アメルスフォールトのモーターサイクルメーカー「Eysink」のオートバイも展示。
1900年代前半の頃は、オートバイの国際レースで活躍していました。
フレヒテ ミュージアムに潜入したときの様子👀🤫
— アルト・オランダ (@Artoshack) June 13, 2021
このファザードは素晴らしいです‼️
かつて軍の病院を買い取って博物館に利用。
主に街の歴史を紹介•展示。
🇳🇱Flehite Museum pic.twitter.com/IED2U2gW1k
フレヒティ博物館の建物は、16世紀のネオ・ルネサンス洋式の建築物で、元は軍の病院として使われていたもの。
入場する際は、門をくぐって運河にかけられた橋を渡ってアクセスします。
🔵フリヒティ・ミュージアム詳細
◾️営業時間
火〜日曜日 10:00 ~ 17:00
◾️入場料金
19歳以上 €12.5 / 18歳以下・ミュージアムカード 無料
◾️地図の表示
⒋観光案内所
VVV Amersfoort
街歩きや観光の情報を得るのに役立つのが、街の観光案内所。
お土産品も取り揃えているので、ちょっと立ち寄って見るのもいいと思いますよ !!
アメルスフォールトの地図も無料でいただけます。
場所は、聖母の塔のすぐ側。
🔵観光案内所 詳細
◾️営業時間
月曜日 11:00 ~ 17:00 / 火〜土曜日 10:00 ~ 17:00 / 日曜日 11:00 ~ 16:00
◾️地図の表示
⒌聖母の塔
Onze Lieve Vrouwetoren
アメルスフォールトの見所のひとつで、街で一番高い建物がこちらの聖母の塔。
地元では、ランゲ・ヤン (Lange Jan) というニックネームでも呼ばれています。
オランダの中では3番目の高さのある教会建築の塔。
- 建築:15世紀
- 塔の高さ:98.33m
- 最上部の展望台までの階段数:346段
実は、この塔に教会は存在していません...
1787年の出来事でしたが弾薬庫として使われていた教会で、火薬に引火してしまい大爆発が起きて、教会建築は倒壊してしまったのです。
しかしながら、奇跡的なことに塔だけは無事でした。
現在、教会建築のあった場所は広場になっていて、周囲にはカフェ・レストランがたくさんあります。
教会建築の姿は、フレヒティ博物館に展示してある地図や模型で見ることができます。
🇳🇱アメルスフォールト、聖母マリアの塔からの眺め👀
— アルト・オランダ (@Artoshack) June 12, 2021
オランダで3番目に高い塔です‼️
1位、ユトレヒト、ドム塔
2位、デルフト新教会
3位、ここ😅 pic.twitter.com/CVfhTSXhQF
ここでは、塔に上がって眺める街並みも見所のひとつ !!
専属ガイド付きのツアーでのみ入場できますが、1時間かけて塔の歴史を紹介してもらいながら見学するので、いっきに最上部まで駆け上がることはありません。
ツアーの途中では、短い動画 (英語のテロップ付き) や自動演奏のカリヨンの仕組みが見れたり、最上部の展望台に着くと塔に住み着いてるハヤブサを見かけるかもしれませんよ !!
この記事に載せてある動画 (YouTube) でも聞けますが、この塔では15分おきにカリヨンが自動演奏でメロディーを奏でます。
カリヨンは高い塔にあるので、街のどこにいても聞こえてきますよ !!
見学チケットの購入
見学ツアーの定員数は少ないので、チケットの申し込みは事前にオンラインで!
前項目でお伝えした観光案内所でもチケットを購入できますが、人数に空きがある場合のみ。
- 大人:€8.5ユーロ
- 子供:€5ユーロ
🔵聖母の塔 詳細
◾️見学時間
通常:12:30, 14:00 / 所要時間:1時間
7~8月:火〜日曜日 11:00, 12:30, 14:00, 15:30
◾️入場料金
13歳以上 €8.5 / 4~12歳 €5 / 3歳以下 無料
◾️地図の表示
⒍ムールハウス (壁の家)
Muurhuis
中世のアメルスフォールトには、2つの都市壁がありました。
最初の壁は13世紀に建てられ、14世紀になると都市の成長とともに外側の壁を建築。
都市を囲む第2の城壁ができると最初の壁は取り壊され、その破片や石などを利用して家屋が建てられたことから「壁の家」と呼ばれています。
ちなみに、フレヒティ・ミュージアムも壁の家のひとつです。
※ムールハウス (Muurhuis) とはオランダ語で「壁の家」という意味。
これらの建物は異なる時期に建てられたので、いろんな形の家が見れるのも特徴的。
場所によっては、本当に壁のような家屋も存在しています !!
ムールハウスのある通りは住宅街なので人通りも少なく、ウォーキングルートには最適な場所。
実際に、現地のウォーキングツアーの人たちも見かけられました。
壁の家の通りの様子は、この記事に載せてある動画 (YouTube) の前半でも見られます。
◾️地図の表示
⒎美味しいフライドポテトのお店【ファン・ゴッホ】
van Gogh
ここでひとつ、お店をお伝えしておきます !!
オランダはベルギーと同様に、美味しいいフライドポテト (フリッツ) が有名。
そんな中、こちらのファン・ゴッホという名のお店では、特にこだわりのあるフランドル地方のフリッツを販売しています。
他にも自家製のコロッケや鶏の唐揚げなどもありますが、やはりオススメはフリッツ !!
そして、フラームス (フランドル) のマヨネーズをつけて食べるのが決め手。
普通のマヨネーズとは、一味違うのでぜひお試しを !!
もちろん、ケチャップも選べますよ。
ファン・ゴッホはアメルスフォールトに3店舗がありますが、こちらはカンペルビネンポート (都市門) のすぐ近くにあるお店。
🔵ファン・ゴッホ 詳細
◾️営業時間
毎日:12:00 ~ 20:00
◾️地図の表示
⒏カンペルビネンポート
Kamperbinnenpoort
アメルスフォールト初期の城壁の一部でもあった都市門。
- 建築:13世紀後半
15世紀に第2の都市壁が出来ると、門の防衛機能を失い部分的に取り壊されましたが、20世紀初期に修復・再建され現在に見れる姿となりました。
ちなみに、第一の都市壁では唯一存在している建築物です。
反対側 (繁華街) から見るとこのようになっています。
◾️地図の表示
⒐アメルスフォールトに2つある最古のカフェ!?
Onder de Linde
アメルスフォールトには、最古のカフェが2つ存在しているというミステリーがあります !!
まずこちらは、1755年からカフェとして機能している店舗で、ゴシック洋式の建物が特徴的。
場所は、聖ジョージ教会の裏側にあります。
◾️地図の表示
In den Grooten Slock
次に、こちらのお店は1520年からカフェとして機能しているそうです。
年代的には、このカフェの方が古いですが、歴史的な事実が無いとか...
地元の観光案内所では、こちらを最古のカフェとして取り上げています。
カフェの場所は、聖ジョージ教会の表に面した通りにあります。
◾️地図の表示
しかしながら、どちらもアメルスフォールト最古のカフェと主張しているそうです !!
果たして、どちらが最古のカフェなのでしょう ???
地元での結論としては、どちらが最古であるかは重要でなく、両方ともアメルスフォールトで最も古いカフェだという事だそうです !! (笑)
そして、どちらも地元らしい雰囲気が味わえるカフェです !!
10.ホフ広場
Hof
アメルスフォールトの中心部に位置した、最も大きな広場。
一面を石畳で覆われた広場の周りには、13世紀に建てられた聖ジョージ教会をはじめ、国定記念物にもなっている家屋がたくさん立ち並んでいます。
カフェ・レストランもたくさんあるので、テラス席に座って食事や休息を取るにも最適な場所。
ホフ広場では、毎週屋外マーケットが開催され、日用品から食材、パンやお菓子、お花もたくさん取り扱ってます。
🔵マーケット開催日
- 金曜日:8:00 ~ 13:00、約150の屋台
- 土曜日:9:00 ~ 17:00、約120の屋台
◾️地図の表示
11.聖ジョージ教会
St. Joriskerk
ホフ広場に面したところには、アメルスフォールトを代表する教会があります。
- 建築:13〜16世紀
- 宗派:プロテスタント
元々はカトリックの教会でしたが、宗教改革でプロテスタントの手に渡り、建物の内装は白く塗りつぶされてしまいました。
しかし、修復作業によって屋根や壁の一部に過去の装飾が復元されたのです。
Naber-Orgel
聖ジョージ教会には3つのオルガンがあり、その中で一番大きなものが、このネーバー・オルガン。
- 建造:1845年
教会では、定期的にオルガンコンサートも開催しています。
オランダ語のみですが、コンサートの詳しい日程等はこちらのホームページから。(Google の翻訳機能を使うと理解できるでしょう)
教会でもう一つの大きな楽器といえば、カリヨンの存在。
聖ジョージ教会のカリヨン🔔🎶🎵
— アルト・オランダ (@Artoshack) June 12, 2021
からくり人形も登場‼️
ドラゴン🐉と馬🐴に乗った騎手(?)
そして何やら振っています😅
私の他にも、これを見るために待ってる人がいました😀
それにしても心地よい可愛らしい音色です😊
St.Joriskerk Amersfoort 🇳🇱 pic.twitter.com/A4vI443Tl1
聖ジョージ教会の見所のひとつに、建物の外側にカリヨンが設置されていて、毎時刻になると自動演奏が始まります。
それだけではなく、カラクリ人形のようなユニークな仕掛けもあるので、是非とも注目を!
高い塔ではないので、近くで見られます。
登場するのはドラゴンと、馬に乗った騎士・聖ジョージだそうです。
参考までに、ゴーダ (Gouda) の市庁舎にもカリヨンの演奏と共に、人形が登場します。
🔵聖ジョージ教会 詳細
◾️営業時間
5月末〜10月中旬:火〜土曜日 11:00 ~ 17:00
◾️入場料金
13歳以上 2ユーロ / 12祭以下 無料
◾️地図の表示
12.モニケンダムポート
Monnikendampoort
アメルスフォールトでは、いくつかの都市門が存在していますが、こちらは第2の都市壁の一部。
- 建築:1420年
この門は防衛目的と、都市に流れる水の管理を行っていました。
門の上は、公園とつながる歩行者用の通路になっています。
◾️地図の表示
13.城塞都市の壁
アメルスフォールトの見所として、第2の都市壁が部分的に存在しています。
こちらは、Achter de Kamp という壁で、近年の20世紀に再建されました。
都市壁「Achter de Kamp 」の反対側はこんな感じで、歩道もある公園になっています。
◾️地図の表示
壁の外側は散歩コースにも最適。
春先には、たくさんのクロッカス咲いて、とても鮮やかになるのも見どころ !!
城壁の上を歩ける場所もあるので、ウォーキングするルートは様々。
◾️地図の表示
参考までに、アメルスフォールト以外では、マーストリヒトにも2つの都市壁が存在しています。
14.ツーリスト・トレイン
Keijlijn City Tour
アメルスフォールトには、汽車の形をした乗り物で街中をめぐるツアートレインが走っています。
Hop on・Hop off のように、途中で乗り降りも自由。
なるべく歩くのを避けたいのでしたらオススメです。
途中から乗車する場合は手をあげて合図しますが、定員の場合は残念ながら乗れません。
チケットは汽車に乗るときに購入しますが、現金でなくカードのみ。
- 料金:€6ユーロ
- 出発地:Eemplein
- 出発時間:13:15、16:15
走行ルート (地図) と乗り場は、こちらから確認できます。
アメルスフォールト への行き方
最寄り駅:Amersfoort Centraal
- アムステルダムから直通のインターシティで34分
- ユトレヒトからは13〜19分
- 駅から市街地まで徒歩で約15分
アメルスフォールト駅からバスを利用する場合は、1区間だけ乗って停留所から歩いて3分ほどで旧市街地に差し掛かります。
- 停留所:Amersfoort Centraal → Stadhuis, Amersfoort
- バス路線:1、2、4、6、72号線
紹介したスポットの地図
おわりに
中世の雰囲気をたくさん残した美しい都市・アメルスフォールトの見所をお伝えしてきました。
数多くある歴史的建造物を見ながら、街歩きするのもいいですし、広場のテラスで食事や休息を取るにも最適な場所です。
そして、カリヨンの音色が街中に響きわたるのを聞いて、きっと優雅なひと時を体験できるでしょう !!