オランダにおいて多くの公共トイレは有料ですが、駅や一部の施設ではバウチャー (チケット) が発行されるようになっています。
『えっ、トイレのバウチャー...?』と不思議に思われますが、お金を払ってトイレを利用しても、このバウチャーで買い物ができて無駄になりません。
この記事では、オランダ鉄道の駅にある有料トイレとバウチャーの使い方、そして他の場所のトイレ事情についてもお伝えしていきます。
※2024年8月19日 更新
有料トイレを利用するとバウチャーが出てくる!
まず始めに、オランダに限らずヨーロッパのいくつかの国では、公共トイレの使用が有料になっています。
日本では無料でトイレを利用することがごく普通なので、オランダに来て有料であることに戸惑ってしまうかと思います。
有料とは言っても、その金額は €0.30~€0.70 ユーロセント。
2022年以降では、€1ユーロのところも見かけられます!
『トイレを利用するのに100円近くも!』...と驚いてしまうしょう。
しかし、場所によってはお金を払って利用するだけでなく、その金額の一部を買い物に使うことができるのです。
オランダ鉄道の主要駅には、 SANIFAIR というトイレが導入されいます。
SANIFAIR とは、トイレのサービスを提供しているドイツの企業で、2021年の時点では、20ヶ所の駅に設けられています。
このシステムは、トイレに入る際に €0.70 ユーロセント払います。
*2024年8月より €0.90 ユーロセントに値上げしました。
そして €0.50 ユーロセント分のバウチャーを受け取り、買い物をする際にその金額分が還元される仕組みです。
バウチャーの説明はオランダ語なので、何が書かれているのか分からない人もいるでしょう。
実際には、地元でもこのシステムを知らない人や、チケットを取らない人も多く見かけます。
では次に有料トイレの利用方法と、バウチャーの使い方を説明していきます。
駅の有料トイレとバウチャーの使い方
駅のトイレを利用するには、まず先にお金を払わなければ中に入ることはできません。
入り口には自動ゲートが設けられてあります。
※支払いせずにポールの下をくぐり抜けても、ちゃんと係の人がカメラで監視しています!
まず、小銭で €0.90 ユーロセントを投入します。
使用できるコインは、10、20、50セントと、1、2ユーロの硬貨。
1ユーロや2ユーロの硬貨でも、お釣りは出てきます。
カードでの支払いは、コンタクトレス (非接触) 決済が対応している次のカードだけ。
- クレジットカードは、VISA、マスターカード
- デビットカードは、Maestroカード (オランダの銀行カード)
カードでの決済は、読取機に近づけて5秒待つと支払いが完了します。
支払いが済むとゲートのポールのロックが解除になり、そのポールを押して中へ入りますが、その時にバウチャーを取り忘れなく!
バウチャーを取り忘れる人もいるので、それを集めて使うという方法もあります! (笑)
トイレから出るときは、単に入場ゲートのポールを押せば出られます。
バウチャーの使い方
SANIFAIR のバウチャーは、トイレを利用したその日、その場所 (駅) に限らず、別の日や別の駅でも利用することができます。
ただし、チケットには有効期間があり左上部に表示されているので、その期日以内に使いましょう。
有効期間は、トイレを利用した日から100日です。
バウチャーが使える店舗
SANIFAIR のバウチャーは、駅構内のキヨスク (Kiosk) と他の店舗でも利用できます。
その詳細は、トイレの壁に表示してあります。
バウチャーが利用できる店舗の例として、スターバックス、バーガーキング、JULIA’s、La PLACE、Smullers などが挙げられますが、駅によって異なるので注意を!
間違いなくバウチャーが利用できるのは、オランダ鉄道駅にある全てのキヨスク (Kiosk) 。
バウチャーが利用できる特定の駅の店舗を知りたい場合は、ウエブサイトに記載してあります。
◾️Sanifair ウエブサイト
www.sanifair.nl/stations/inwisselpartners
スマホにあるQRコード・リーダー機構やアプリで、バウチャーに表示されている「Qコード」をスキャンすれば、簡単にウエブサイトへと繋がります。
ウエブサイトを開いたら、まず白い枠の中から駅名を選択して画面中央にある「INWISSELPARTNERS」をタップします。
すると、その駅でバウチャーが利用できる店舗が表示されます。
利用規定と使い方
バウチャーの利用規定は次のように記されています。
簡単に説明すると €2.50 以上の食べ物や、飲み物を購入した場合に利用できます。
一品が€2.50 以下でも、2品の合計が€2.50 以上なら使用可能。
バウチャーは支払いをするときに店員さんへ渡します。
駅のトイレによっては、バウチャーが使える自動販売機も設置されていて、生活用品などの小物が買えます。
SANIFAIR (同様のシステム) での利点
トイレを利用するのに高いと思いますが、このシステムが導入されてからは、昔から比べるとだいぶ清潔になっています。
例外がないとは言い切れませんが、全体には向上しています。
たかが「トイレ」ですが、やはり清潔な場所で利用したいものですね。
手洗い場も、泡状のソープ、水、手拭きなどが自動化されています。
有料か無料かは、価値観の問題になるでしょう!
駅以外のトイレでは?
鉄道を利用する場合は、駅でなくても列車にトイレは備えてあり、当然ながら無料で使えます。
ただし、一部の各駅停車 (Sprinter) には装備されていません。
しかし、列車のトイレはあまり綺麗ではありませんが、新型の車両も導入されているので一概には何とも言えません...
駅以外でも、同じようなシステムを導入している場所が増えてきています。
例えば、高速道路の給油所 (サービスエリア) でもトイレの使用はお金を払い、そのバウチャーで買い物やサービスエリアにあるレストランで使えます。
ただし、バウチャーは全てのサービスエリアで共通ではなく、同一銘柄の給油所のある場所でしか共有できません。
給油所は Shell, BP, Texaco, Esso, Total などがあります。
観光地でも例をひとつ上げると、風車村「ザーンセ・スカンス」では、トイレを利用するのに €1 ユーロ必要になりますが、ここではバウチャーのシステムは取り入れてません。
街中での場合
街中でトイレに行きたくなった場合ですが、特に初めて行く街ではなかなか見つけることができないと思います。
そんな時には、トイレのアプリが役に立ちます!
もし街中で緊急を要する場合には、近くのカフェやレストランへ行ってみましょう。
お店の人に一言話せば、大抵の場合は使わせてもらえます!
その他に、知っておくと役立つ場所;
- デパート、店舗 (De Bijenkorf、HEMA)
- ショッピングモール
- マクドナルド、バーガーキング、KFC
- カフェ、バー、レストラン
- ミュージアム、シアター、コンサートホール
- ホテル
- 劇場・映画館
アムステルダムでしたら、運河沿いに男性用の無料トイレが設けられている場所もあります!
ただし、手は洗えません。
トイレで「男・女」の見分け方
当然ですが、海外なので日本語表記はありません。
男女の絵で記してある場合もありますが、いざという時に備えてオランダ語での表記を覚えておきましょう!
男性は「Helen」
女性は「Dames」
頭文字だけで H、D と表記している場合もあります。
参考までに隣のドイツでは?
ドイツでも同じ有料のシステムが数多くあります。
特にドイツのアウトバーン (高速道路) にあるサービスエリアでは、この「SANIFAIR」によるシステムが、早くから導入されています。
ほとんどのトイレは綺麗に管理されていて、おまけに音楽も流れていて快適に利用できます。
アウトバーンにあるサービスエリアでは、一回の買い物に何枚ものバウチャーがまとめて使え、サービスエリアのショップに限らずレストランでも利用することができるのです。
バウチャーの発行日は記載していますが、使用期限は表記されていません。
ドイツ鉄道の主要駅も同じシステムがありますが、€1ユーロと結構高いです!
バウチャーは €0.50 ユーロセントなので、実際には半分しか還元されません。
オランダ鉄道の駅と同じ利用規定があり、 €2.5ユーロ以上の買い物でバウチャーが還元されます。
ちなみにケルン中央駅 (Köln Hbf) では、バウチャーのシステムがないのでトイレにまるまる €1ユーロかかってしまいます!
最後に
以上、トイレ事情をお伝えしてきました。
これでバウチャーの使い方が、お分かりになれたかと思います。
もし無料トイレの場所が見つけられなかった時に備えて、小銭を用意しておくのが無難です!
いざとなると、有料か無料かを選ぶこともできなくなるでしょう。
そんな時に備えて、この情報が役に立てれば幸いです!