すっかり秋になった10月に、オランダの北部に位置したフリースラント州の都市「レーワルデン」に行ってきました。
この街には、とても興味深い建物やユニークなスポットがあります。
街歩きした様子を通じて誰も知らないような穴場情報も含め、それらを紹介していきますので、訪れる際には参考にしてみてください。
傾いた教会塔
Oldehove
レーワルデンの街で一番の必見スポットといえば、この傾いた教会塔「オルデホーフェ」
大きな広場にポツンとそびえ立つ、オランダ版のピサの斜塔ともいえる街のシンボル!
- 建築:1529~1533年
- 高さ:39m(屋上部分)
- 階段数:183段
- 床と最上部を結ぶ中心軸のズレ:1.99m
外から眺めているだけでも圧巻ですが、この塔の屋上に展望台があるので、上ってみることにしました。
塔の中の階段も建物といっしょに多少傾いているので、ちょっと違和感を感じながら上っていきました。
183段の階段を上り詰めると、そこは360度見渡せるパノラマ展望台。
やはり、高いところは見晴らしがいいですね!
一応伝えておきますが、屋上の展望台は水平な感じでした。(笑)
🇳🇱レーワルデンの斜塔、
— アルト・オランダ (@Artoshack) October 10, 2021
オルデホーフェからの眺めです👀
今回は動画で🤗
Oldehove, 39m
階段数、183段 pic.twitter.com/jemOIKeTJ1
この場所は、レーワルデンの街並みがよく見渡せる絶好のスポットです。
🇳🇱レーワルデンの斜塔にも、ガラス張りで床が見える所があります。
— アルト・オランダ (@Artoshack) October 9, 2021
でも、キズが多くてよく見えません😶 pic.twitter.com/Qb8DvmZ2zl
スリルを体感したい人には、展望台の一部にガラス張りの小さなバルコニーがあるので、そこに立つと床も透けて見えます!
塔に上れるのは期間限定ですが、是非とも訪れてみたい必見のスポットです。
◾️入場料
18歳以上€3.5 / 13〜17歳 €2.5 / 12歳以下 €1.5
(受付は正面の扉を入ってすぐの所)
◾️営業時間
4〜10月 / 火〜日曜日:13:00 ~ 17:00
※塔の見学は期間限定で、冬の間は閉鎖されています。
◾️地図の表示
参考までに、マンホールのフタにも斜塔のデザインが施されているので、街を散策する際にはチョット足元も注視してみるといいですよ!
ちなみに、オランダのデルフトにも、大きく傾いた教会塔があります。
その旧教会については、こちらの記事を参考にご覧ください。
なぜ塔は傾いているの?
教会塔が傾いているのは、湿地の柔らかい土地に建てられたことが原因。
当時、建築が始まり塔の高さが10mの時点で、すでに傾きだしたそうです。
補強対策を施したにも関わらず成果が得られなく、120mの塔を建てる計画でしたが1533年に中止され、未完成の塔になってしまいました。
いわば、失敗した建築プロジェクトが、皮肉にも有名なスポットになったのですね。
かつての刑務所・ブロックハウスポート
Blokhuispoort
ここは、レーワルデンの刑務所...
...というのは昔のことですが、それでも2007年までは実際に刑務所として機能していました。
リノベーションして現在は、ホテル、オフィス、図書館、レストラン、ショップなどのある複合施設となっています。
門を潜って敷地内に入り、訪れたのは一番奥にある「Hウイング」という場所。
建物の中は、当時の刑務所の雰囲気がそのまま残されています。
そして、一部の部屋はミュージアムになっていて、無料で公開しています。
ここに来れば、オランダの刑務所がどのようになっているのかを、見ることができますよ!
1階には刑務所の部屋を活用した、アトリエやショップなどの店舗が入っています。
この建物に入るのは自由なので、「刑務所」を見てみたい人にはオススメのスポットです。
◾️開館時間
毎日 10:00 ~ 18:00
◾️地図の表示
プリンセスホフ陶磁器博物館
Keramiekmuseum Princessehof
レーワルデンにもいくつかのミュージアムがありますが、今回訪れたのは「プリンセスホフ陶磁器博物館」
オランダにおいて、最大規模の中国陶磁器のコレクションを所蔵しており、その他には世界中の作品も展示。
もちろんオランダで作られた陶磁器もあり、まるで絵画のようなタイル画も見られます。
陶磁器とは別になりますが、この建物には2人の有名人が住んでいました。
1693年に建てられた邸宅には、オランダ王家の祖先である、オレンジ・ナッソー王女の『マリア・ルイーゼ』が、1731年から亡くなる1765年まで住んでいました。
”Maria Louise van Hessen-Kassel”
彼女は陶芸の愛好家でもあり、数多くのコレクションを収集していたようです。
1階にあるナッソーの部屋では、バロック様式のダイニングルームが見られ、陶磁器もたくさん飾られてとても豪華!
別の部屋では、マリア・ルイーゼ王女の肖像画や、彼女が集めたコレクションも展示しています。
この度、個人的にプリンセスホフ陶磁器博物館で、注目していたのはこの人。
だまし絵で世界的に有名なアーチスト『マウリッツ・エッシャー』が生まれ育った家でもあるからです。
”M.C. Escher” 1898年6月17日 レーワルデン生まれ
このミュージアムでは、エッシャーの幼い頃の写真やドキュメンタリーについてを紹介。
他には、幾何学的なタイル画の作品も展示。
ストリートアーチストによって、だまし絵を壁全体に描いた部屋もあり、まさに巨大な錯覚を見て体験できます。
なお、エッシャーに関しては、ミュージアムの地下1階が展示室。
ちなみに彼の数多くの作品は、デン・ハーグの「エッシャー美術館」で鑑賞できます。
◾️営業時間
火〜日曜日 11:00 ~ 17:00
◾️入場料
18歳以上 €12.5 / 17歳以下 無料 / ミュージアムカード 無料
◾️地図の表示
レーワルデン旧市庁舎
Het Leeuwarder Stadhuis
こちらは、18世紀に建てられたレーワルデンの旧市庁舎。
- 建築:1715年
- バロック様式建築
2004〜2005年に修復工事が行われ、とても綺麗な姿でよみがえっています!
こちらは、側面の小さな中庭のある入り口。
ちなみに、市庁舎の横側にはオランダの伯爵、ウィレム・ローデワイク・ファン・ナッソーの銅像が置かれています。
"Willem Lodewijk van Nassau-Dillenburg"
(通称、ナッソー・ディレンブルク伯爵)
彼はフリースラント、ドレンテ、フローニンゲン州の総督であり、ネーデルランド連邦共和国の独立戦争に貢献した重要な人物でした。
🇳🇱レーワルデン旧市庁舎のカリヨン🔔🎵🎶
— アルト・オランダ (@Artoshack) October 10, 2021
秋晴れの爽やかな一時😊 pic.twitter.com/osDZA9sGta
オランダにはたくさんのカリヨンがありますが、設置されているのは教会だけではありません。
ここ、レーワルデンには旧市庁舎にカリヨンがあり、30分ごとに自動演奏の美しいメロディーが流れてきます。
この場所は繁華街から少し外れたところに位置しているので、ザワザワする事なく心地良いカリヨンの演奏が聞けますよ!
◾️地図の表示
ワーグ【中世の計量所】
De Waag
オランダの街には、必ずといってもいいほど存在している中世の計量所「ワーグ」
- 建築:1598年 完成
- ルネッサンス様式建築
当時、市場の卸業者は製品を計量することが義務付けられていて、ここでは主に乳製品の取引が行われていました。
今現在はランチカフェのレストランとして、食事やティータイムにも最適な場所となっています。
私もランチに立ち寄って、ハム・チーズのトーストをいただきました😋
◾️営業時間
火〜土曜日 10:00 ~ 18:00 / 日・月曜日 12:00 ~ 18:00
◾️地図の表示
誰も知らない!?街中のミニチュア探し
Miniature People Leeuwarden
レーワルデンの街には、誰も知らないユニークな物が...⁉️
それは、指先ほどくらいの大きさのミニチュア人形が、街中にこっそりと置かれているのです!
その数は約40ヶ所。
窓枠の下とかレンガブロックの間など、さまざまな場所に潜んでいます。
🇳🇱レーワルデンの面白い散策‼️
— アルト・オランダ (@Artoshack) October 13, 2021
街に置かれたミニチュア人形。
動画で少しお見せします😄
Miniature People Leeuwarden pic.twitter.com/kKEW94QHI4
ミニチュア人形には、ハイキングや買い物、新聞を読んでる人、写真撮影をしている様子や、工事をしている人、動物も見つけられますよ。
ミニチュアが置かれてある場所を知るには、観光案内所へ行くとリーフレットがあります。(観光案内所は次の項目でお伝えします)
- リーフレット: 一部 €1.5
リーフレットには、ミニチュア人形のある場所を示した地図が載ってますが、とても小さいので見つけるのは難易度が高いです。
それでも、子供や大人を問わずに街中を宝探しをするかのような、楽しい体験ができると思いますよ!
たまたま一緒に居合わせた子供たちは、ミニチュアを見つけるとはしゃいでいました!
目印には、ミニチュアの近くにQRコードを表示。
一部人形が無くなっている場所もあるので、念のために伝えておきます。
散策ルートもリーフレットに記されているので、ミニチュアを探しながらの街巡りもできるので、一石二鳥!
ただし、全てのミニチュアを探すとなると、半日は軽く費やしてしまいそうなので、私は部分的に探しました。
レーワルデン観光案内所
Leeuwarden Visitor Center
こちらが、レーワルデンの観光情報が得られる、お土産ショップも兼ねた案内所。
街の見どころを記したA4サイズの地図 (無料) が、ここでいただけます。
先にお伝えしたミニチュア人形のパンフレットも、この観光案内所で買うことができます。
◾️営業時間
月〜土曜日 9:00 ~ 18:00
◾️地図の表示
ウォーキング・フリー・ツアー
Leeuwarden Free Tour
レーワルデンの街では、無料のウォーキングツアーが実施されています。
英語でのガイドは、土曜日に開催。
はじめて訪れる街で、いろいろと知るには最適の手段!
レーワルデンの必見スポットはもちろん、穴場情報や歴史などについて、質問すればオススメのレストランなども教えてもらえます。
費用はかかりませんが、ツアーを終えてチップを与えるとガイドさんは喜ぶでしょう!
詳細は、こちらのウエブサイトから。
◾️開催日
- 英語のツアー:毎週土曜日 12:00〜
- オランダ語のツアー:火〜日曜日 13:30〜
◾️集合・出発点
- 広場を挟んで斜塔の反対側にある建物「OBE」の入り口付近 → 地図の表示
◾️所要時間:90分
街のストリートアート
レーワルデンの街中には、建物の壁や歩道などでストリートアートが見られます。
どうやらこれは、サムライのようです。
こちらは、シアターの壁にある巨大なキャンバスに描かれたアート。
歩道にも、こんなユニークなアートが描かれてます。
道の脇にある電気制御キャビネットにも、まるで絵画のようなアートが描かれてあります。
こんなアートなら、街並みと調和していいですね!
レーワルデンでは、これらのアートを散策しながら探すのも楽しみのひとつです。
"LOVE"という名のアート像
レーワルデンの駅前から、ほんの少し離れたところにある『LOVE』という名のアート。
高さが7mもあるので、すぐに見つけられます。
この作品は、スペインのアーチスト「ジャウメ・プレンサ」(Jaume Plensa) によって、2017年に制作されたもの。
目を閉じた男の子と女の子が向き合った彫像で、約束に満ちた未来を描いており、土台からは霧の噴水が出てきて静かで穏やかな印象を強調させています。
フリースラントには、国際的なアーチストによって制作された「11の噴水」というものがあり、そのひとつが、ここレーワルデンにあります。
◾️地図の表示
同じフリースラント州にある、スタフォーレンという小さな街には、巨大な魚の噴水が見られますよ!
お土産にフリースラント特産のクッキー
Fryske Dúmkes
最後に、地元フリースラント特産品のクッキーを一つお伝えしておきます。
(日本語で表記するなら「フライスケ・デュムケス」)
アニスのスパイスとへーゼルナッツを含んだ、サクサクしたとても軽い食感のクッキー!
親指ほどの大きさのクッキーであることから「親指」dúmkes という名前がついたとか!
このクッキーは、フリースラント州のお土産店や、ベーカリーでも売っています。
レーワルデン への行き方
最寄り駅:Leeuwarden
アムステルダムからインターシティで、約2時間5分
(直通、または一度乗り換え)
車で行く場合、アムステルダムやスキポール空港からなら約1時間半。
駐車場はレーワルデン駅の周辺や、斜塔の側にもパーキングガレージがあります。
紹介したスポットの地図
おわりに
今回、レーワルデンの街歩きでは、特に珍しいスポットに焦点を絞って見てきました。
- オランダ版のピサ、オルデホーフェ
- 刑務所を利用した複合施設
- エッシャーの生家
- ミニチュア探し
- ストリート・アート、など
それ以外では、街全体がとても綺麗なので単に街歩きしていても、きっと飽きることはないですよ!