オランダの鉄道

蒸気機関車でオランダ国内を大移動!【ノスタルジックな汽車の旅】

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デンボス駅での機関車

蒸気機関車が牽引する汽車で、オランダ国内を大移動するというユニークなイベントがありました。

この本格的な汽車では、時をさかのぼったようなノスタルジックな雰囲気が楽しめます。

そんな、情緒ある汽車の旅を、動画 (旧Twitterの投稿) も取り入れてお伝えしていきます。

年にほんの数回しか運行していませんが、もし乗ってみたいと思う方は是非とも参考に!

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蒸気機関車でオランダの大移動

蒸気機関車の旅

時は2023年10月28日、オランダのロッテルダムからドイツに近い南リンブルグ地方まで、丸1日かけて汽車の旅をするというものでした。

ロッテルダム中央駅を朝の7時半に出発して、夜の23時過ぎに戻ってくるという長いスケジュール。

特に今回は、大型蒸気機関車が2両で牽引するという事でしたので、早めにチケットを取っておきました。

2両の蒸気機関車

こちらが、今回牽引した2両の蒸気機関車で、ドイツで製造されたもの。(ロッテルダムの車両基地・デポでの撮影)

🚂蒸気機関車の番号

  • 01 1075:1940年製、最高速度 140km/h
  • 23 023:1952年製、最高速度 110km/h
客車

客車も1950年代の車両で、まさにノスタルジック感のある乗り物です!

列車の編成は、蒸気機関車も含めて11両。

今回、運行された汽車のチケットは、専用のウエブサイトからの申し込みで、2ヶ月ほど前に購入済しましたが、すでに8割ほどの座席が埋まっていました。

(記事の後半に、そのウエブサイトの詳細を載せておきます。)

ロッテルダム駅から出発

蒸気機関車ロッテルダム駅

ロッテルダム中央駅を出発するのは、朝の7時半 (正確には 7:37 発)。

この時期、オランダの朝はまだ真っ暗です。

しかし、汽車が入線するのは7時頃ということなので、早めに来て待機。

すると汽車は、ゆっくりとやって来ました。

近代的なロッテルダムの駅に、昔の汽車がやってくるという、何とも不思議な光景です!

列車から蒸気

到着した客車からは、蒸気が立ち上がっています。

汽車の暖房は機関車の蒸気を利用しているので納得です!

2等車の座席

この度、私は2等車のチケットで乗車。(料金は €99ユーロ)

...というより、1等車のチケットは既に売り切れでした。

2等車は6人席というコンパートメントで、かなりの幅がある座席です。

車両の通路

座席の上や通路の壁には、汽車の写真がたくさん飾られてあります。

客車の窓は、上半分だけが開けられるようになっています。

この時期の朝晩は寒いですが後に窓を開け、ほとんどの人が顔を出して外を眺めていました。

ファーストクラス

1等車は4人席のクロスシートで、こんな感じ。

(写真を撮り忘れていたので、似たような車両の画像を載せておきます。)

一部、コンパートメントの座席もありました。

トイレは、各車両に装備。

そして、いよいよ汽車の出発です!

早速、窓を開けて外を覗いてみました。(Xの映像)

客車のドア

もちろん、列車のドアは自動開閉ではないので、各車両ごとにいるスタッフが操作してくれます。

私は始発駅のロッテルダムから乗りましたが、意外と乗客は少なく、途中停車駅のゴーダ、ユトレヒトから徐々に人が乗ってきて、デンボスで満席になりました。

蒸気機関車は時速100キロで走行するということなので、スマホのGPSアプリで計測したら、実際に97キロ出ていました。

70〜80年前の蒸気機関車が、今現在でもそのスピードで走れることに感心です!

汽車の乗り心地はというと、全く問題ありません。

昔の客車なのですが、現在の鉄道路線はとても良く出来ているので、変な揺れとかは感じませんでした。

むしろ、今現在の列車より柔らかいクッションを使用しているので快適です。

食堂車もある!

食堂車の様子

汽車の編成には、MITROPA という名前の食堂車も連結されており、せっかくなのでそこで朝食を取ることにしました。

食堂車

簡単なメニューしかなかったので、とりあえずはサンドイッチとコーヒーをオーダー。

食堂車の窓から見える景色には、蒸気機関車の煙も混じりノスタルジック感が漂います!(Xの映像を参考に)

この食堂車は1980年代の車両なので、他の客車ほど古くはないですが、それでも情緒ある雰囲気が味わえました。

ちなみに、車内販売のサービスもあり、ワゴンでコーヒーやジュース、ビールなどの飲み物を運び、軽いスナックも用意してありました。

デンボス駅でフォトセッション

デンボス駅での機関車

ロッテルダムを出発してから約2時間後、途中停車駅のデンボス (正式名称:セルトーヘンボス) では、フォトセッションで約20分ほどの停車。

オランダでも鉄道ファンが多く、蒸気機関車の写真を撮る人もたくさん!

私も汽車を降りて隣のプラットホームに行き、重連運転の機関車を写真に撮っておきました。

乗車していると、実際に見れないので...(笑)

機関士にコーヒー

プラットホームではこんな光景も!

機関士さんにコーヒーの差し入れです。

レディス

一昔前の豪華な衣装を纏ったレディ達も登場です!

俗に言うキャンペンガールでしょうか!?

後に彼女たちも列車に乗り込み、この汽車のイベントに関するパンフレットや、ポストカードを配っていました。

そして、デンボスを出発すると再び100キロ近いスピードで、マーストリヒトに向かいます🚂

窓を開けていると、蒸気機関車の煙が立ち込めてきて、石炭の燃カスも目に入って来ます。

一点、驚いたのはゴーグルを装着してる人を、数人見かけました‼️

窓から顔を出して目を保護できるように、ちゃんと用意してきたようです。

おそらく、汽車の旅の常連さんでしょう、感心しました😅

今のほとんどの電車は窓が開きません。

ですので、窓の開く汽車から外を覗いてみると、こんな光景にも出くわします。

いきなり列車が向かってきたので、ビックリしました!(笑)

南リンブルグに到着

リンブルグ地方に入り、まずはマーストリヒト駅に停車して方向転換。

ターンテーブルはないので、蒸気機関車だけが先頭から後方に移動して、後ろ向きで客車を牽引していきます。

汽車の車窓

ロッテルダムからは汽車の最後尾に乗っていたので、マーストリヒトから方向転換して走ることから、蒸気機関車の真後ろで見ることになります。

皆、窓から車両から身を乗り出して、蒸気機関車の走る様子を、スマホなどに撮り納めていました。

ちなみに、乗客のほとんどが大人なのです。

子供たちもいましたが、然程多くはいませんでした。

かなりの年配の方もいて、かつて汽車の走る時代に乗っていたのを、懐かしく思い出していたのでしょう。

蒸気機関車の音や、煙や蒸気を吐き出しなが走る様子は独特ですね!

...シュッポ シュッポ シュッポッポ 🚂🚂

リンブルグ地方の景色

この日の午前中は曇り空でしたが、リンブルグ地方に入り晴れ間も見えてきました。

この地域は、一般的な平らなオランダの地形とは異なり、多少なりとも標高が高く丘続きで、車窓から眺める景色がとても綺麗です!

そして、ひとつ目の目的地 Valkenburg (ファルケンブルグ駅) に到着。

ここで降りる人たちは、帰路の出発時間まで6時間ほどあるので、ファルケンブルグでの街巡りを楽しんだりします。

そして、ロッテルダムから約5時間半の移動を終え、終着駅の Simpelveld (シンペルフェルト駅) に到着。

いや〜、長かったです。(通常なら3時間ほどで来れる距離)

実際には、30分ほど遅れて 13:30の到着。

昔の汽車での運行なので、遅れはつきもの。

この汽車とは一旦お別れで、5時間後にロッテルダムに向けて再び戻ってきます。

それまでは、南リンブルグを走る別の蒸気機関車 (汽車) に乗ることにしました。

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南リンブルグ地方を走る蒸気機関車

ミルヨネンラインの汽車

Simpelveld は一般の営業路線ではなく、蒸気機関車を走らせてる『ミルヨネンライン』というミュージアム路線なのです。

MILJOENENJLIJN

🌐miljoenenlijn.nl

同様に、昔の汽車を走らせてるミュージアム路線がホールンにもあります。

この日は、蒸気機関車の日というイベントが行われており、さまざまな機関車や列車が集結していました。

とりあえずは、このノスタルジック感あふれる汽車に乗ってのミニトリップ!

なんと、この蒸気機関車は1910年製で、このミュージアム路線が所有している最古の機関車‼️

その後は、シンペルフェルト駅に集結している、色んな汽車や列車を見て回りました。

シンペルフェルトの車庫

駅からすぐ近くにある車両基地にも行ってみると、ロッテルダムから来た蒸気機関車も止まっており、石炭と水の補給を済ませたところでした。

シンペルフェルト駅からの帰路

帰りの汽車はシンペルフェルト駅を18時に出発して、終着のロッテルダム駅には23時過ぎに到着予定。

...というスケジュールですが、汽車は18時過ぎにやってきました。(笑)

行きと同じように遅れることも見込んで、帰路は途中のユトレヒトで下車することにしました。

ロッテルダムまで戻ると、自宅に帰る列車がなくなってしまうので...

帰路のルートはマーストリヒトではなく、ヘールレン (Heerlen) 経由で戻ります。

ヘールレンまでは、先頭と最後尾に蒸気機関車が連結しての運行。

最後尾の車両からも、直近で機関車が見れます。

大型の蒸気機関車なので、汽笛の音も爆音‼️ (ビックリします)

フェルケンブルグ駅

まずは、ファルケンブルグ駅に到着して往路で降りた乗客を乗せ、ここからヘールレン駅まで方向転換しての走行!

ヘールレン駅からは再び方向転換で、今度は後ろにいた蒸気機関車が先頭に移動して、重連運転でロッテルダムまで戻ります。

ハンバーガー

帰路でも再び食堂車に立ち寄り、今度はハンバーガーを注文。

偶然にも、座った場所は行きと同じ3番テーブル!

マヨネーズやケチャップはテーブルに置いてあるので、それらも付けていただきました。(ハンバーグの上に載ってるのは味付けした玉ねぎ)

外は真っ黒で景色は見れませんが、最後にノスタルジックな汽車の旅を、食堂車で過ごしユトレヒトに向かいました。

予定時刻より20分遅れてユトレヒト駅に到着。

最後に汽車を見送って、約16時間に及ぶ汽車の旅は終了となりました。

本当に長〜い1日でした。

余談ですが汽車の旅を終えて、鼻をかんでみると真っ黒‼️

蒸気機関車の煙が蓄積したのでしょう、これも汽車の旅の思い出となりました。

蒸気機関車の運行について

今回の運行スケジュールは、こんな具合でした。

◾️往路

  • 7:37 Rotterdam CS 発
  • 8:00 Gouda
  • 8:40 Utrecht CS
  • 9:37 Den Bosch ('s Hertogenbosch)
  • 12:20 Valkenburg
  • 13:00 Simpelveld 着

◾️帰路

  • 18:00 Simpelveld 発
  • 19:11 Valkenburg
  • 20:00 Heerlen
  • 21:38 Den Bosch
  • 22:18 Utrecht CS
  • 22:54 Gouda
  • 23:17 Rotterdam CS 着

この度、運行された汽車はロッテルダムにある財団が所有するもの。

Stoom Stichting Nederland

こちらの財団は、蒸気機関車の博物館として車両基地に工場を備え、整備・修復などを行なっています。

また、車両基地 (デポ) に訪問して見学することも可能。

🌐www.stoomstichting.nl (オランダ語のみ)

そして、今回のようなユニークな蒸気機関車の旅を企画しているのが、こちらの組織。

Het Stoomgenootschap

少しややこしいですが、どちらの組織も本格的な昔の汽車に乗車できるイベントを提供しています。

🌐hetstoomgenootschap.nl (オランダ語のみ)

もし、オランダで本格的な蒸気機関車の旅を体験したいと考えているのでしたら、これらのウエブサイトを注視しておきましょう!

(サイトはオランダ語だけなので、Google Chrome の翻訳機能を使うと理解できるでしょう。)

いつ、どのようなルートを走るイベントが行われるのか、またチケットの販売もいつから始まるのか分かりませんので、定期的にウエブサイトを注視しておく必要があります。

蒸気機関車とチューリップ

ちなみに、12月にはクリスマスエクスプレスが、4月になるとライデン〜ハールレム間のチューリップ畑を走る、汽車のトリップが予定されています!

おわりに

昔の蒸気機関車でノスタルジックな汽車の旅を、お伝えしてきました。

やはり、電気モーターで走る現代の電車とは違い、蒸気の力を利用して力強く走る姿や汽笛の音、独特な石炭の燃えた匂い、レトロ感ある客車など今の時代には無いものが、多くのファンを魅了しているのだと実感しました。

もし機会があれば、このようなノスタルジックな汽車の旅を、オランダで体験するのも面白いかと思いますよ!


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