ヨーロッパといえば、歴史のある教会が数多く存在していますが、オランダも例外ではありません。
その中の一つ、オランダの古都ともいわれてるハーレム (Haarlem) の街にある「聖バフォ教会」
この教会には、過去にモーツアルトとヘンデルが演奏した、世界的に有名なパイプオルガンがあるのです!
この記事では聖バフォ教会と、その有名なパイプオルガンについてもお伝えしていきます。
※2022年10月2日 更新
ハーレムの聖バフォ教会
De Grote of st. Bavokerk
アムステルダムから西へ、約20Km離れた所に位置したハーレムの街。
ハーレムのランドマークでもある壮大な聖バフォ教会は、街の中心部のグローテマルクト広場 (Grote Markt) にあります。
教会の名前は「聖バフォ教会」、または「グローテケルク」(大きい教会) とも呼ばれています。
- 塔の高さ:78m
教会自体も見所の一つですが、一番の注目は教会内のとても美しく壮大なパイプオルガン!
プロテスタントの教会なので装飾はシンプルですが、このパイプオルガンを見るだけでも訪れる価値は十分にあります。
パイプオルガン
ハーレムは「北オランダ・フィルハーモニー管弦楽団」が拠点とする街でもあります。
そのコンサートホールと、聖バフォ教会にパイプオルガンがあることから、世界的にもオルガンの街として知られています。
クリスチャン・ムラー・オルガン
Christian Müller Orgel
教会内の西側の壁にあるパイプオルガンは、ドイツ生まれのオランダ人であるオルガン建築家のクリスチャン・ムラー (Christian Müller) によって製作され、1738年に完成しました。
オルガンの高さは約30メートル、合計5068本のパイプで構成され、完成当時は世界で最大のパイプオルガンでした。
このオルガンの有名な事と言えば、1766年に10歳のモーツアルトと、1740年と1750年にはヘンデルも2度演奏しました。
オルガンが設置してある壁には、モーツアルトが演奏したという証のプレートが掲げられてあります。
オルガンの彫刻
このオルガンで注目したいのが、色鮮やかに装飾された「彫刻」
まず、オルガンの一番上にはハーレム都市の赤い紋章と、2匹のライオンが見られます。
そして、至るところにハープやフルート、チェロなどの楽器を演奏する天使などの彫刻も見かけられます。
見つけづらい2つの彫刻
実はこのオルガンには2つの見つけづらい彫刻があり、真正面からでは見ることができません。
ちょうど、中央前方のパイプの陰にあります!
正面から少し横の方へ移動すると、前方のパイプの後ろに見えてきます。
管楽器を持っている彫刻で、クラリネットかオーボエでしょうか?
この2つの彫刻を見つけられる人は、あまりいないと思います。
まるで美術館の作品のように、オルガンに装飾されている彫刻を観るのも興味深いと思いますよ!
小さなコールオルゴール
Het Koororgel
教会内の中央部には「コールオルゴール」という、小さなパイプオルガンもあります。
このオルガンは、ハーレム自治体によって購入され、1907年に設置されました。
オルガンの起源は、はっきりとしていませんが、おそらく1680年以前から存在していたようです。
クリスチャン・ムラー・オルガンと比べたら、小さくて可愛らしいですが、このオルガンも飾りではなく、実際に演奏が行われています。
オルガンのコンサート
教会では春から秋にはじめ頃にかけて、お昼時や夜にコンサートが開催されています。
もし訪れる機会がありましたら、ぜひパイプオルガンの音色を聞いてみませんか!
🇳🇱ハーレム、聖バフォ教会の潜入レポ👀
— アルト・オランダ (@Artoshack) September 17, 2022
土曜日の13:15からは、オルガンのコンサート🎹🎵🎶😀 pic.twitter.com/276uOR8nIO
お昼のコンサートは、土曜日の13:15から約30分間。
夜の部のコンサートは、火曜日の20:00から約1時間の演奏が行われますよ。
教会のステンドグラス
聖バフォ教会のステンドグラスは数多くありませんが、2つの作品を見てみましょう。
【写真:右】地元ハーレムのデザイナー「Michel van Overbeeke」が2009年に製作した作品『平和と寛容』(Peace and Tolerance)
【写真:左】「Louis Boermeester」によるデザインで、教会の修復作業の終了を記念して設置された、1985年の作品『Noach』
教会内の有名な墓跡
教会の床には約1500の墓石があり、ハーレムに関わる著名人が埋葬されています。
その中の一つに、中世オランダの黄金時代を代表する絵画の巨匠 「フランス・ハルス」(Frans Hals) が埋葬されています。
その他には、オランダ最古の博物館「テイラース・ミュージアム」(Teylers Museum) を創設したピーター・テイラー (Pieter Teyler van der Hulst) も、この教会に埋葬されているのです。
教会の豆知識
この教会の歴史をたどっていくと、10世紀の頃に木造の小さな教会がグローテマルクト広場に建てられました。
元はロマネスク様式で建てられた教会でしたが、1347年と1351年に街で起きた大規模な火災によって、大きな被害を受けてしまいました。
その後、教会は1370~1538年にゴシック様式で建設されました。
ちなみにこの聖バフォ教会は、オランダ国定記念碑のトップ100の中に選ばれている建築物です。
ところで、ロマネスク様式建築とかゴシック様式建築とは何でしょう?
🔵ロマネスク様式建築
- 10世紀末〜12世紀頃の建築デザイン
- 低い建築
- 壁が厚い
- 窓が小さい
🔵ゴシック様式建築
- 12〜15世紀頃の建築デザイン
- 高い建築
- 壁が薄い
- 窓が大きい
聖バフォ教会は、十字架の形で建てられてる十字架教会です。
もともとはカトリックの教会でしたが、宗教改革の後、16世紀 (1578年) にプロテスタントの教会となり現在に至っています。
教会の詳細
🔵営業時間
- 月曜日〜土曜日、10:00 ~ 17:00
- 7〜8月は 日曜日もオープン、12:00 ~ 16:00
🔵入場料
- 17歳以上:€3
- 12~16歳:€1.5
- 11歳以下:無料
🌐www.bavo.nl (日本語)
アクセス方法
最寄りの駅:ハーレム (Haarlem)
鉄道でアムステルダム中央駅からインターシティ (Intercity) 、またはスプリンター (Sprinter) で15 ~ 19分。
ハーレム駅から教会までは、徒歩で約10分。
最後に
いかがでしたか?
ハーレムの中心的存在であり、歴史のある聖バフォ教会。
18世紀にモーツアルトとヘンデルも演奏したという、由緒あるパイプオルガンの存在もお分かりできたことでしょう!
もし、ハーレムの街を訪れる機会がありましたら、ぜひ立ち寄ってみませんか!