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デンボスのユニークな教会、聖ヤン大聖堂の秘密を探る!

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聖ヤン大聖堂

北ブラバント州にある、*スへルトーヘンボス ('s Hertogenbosch) という都市の中心部には、聖ヤン大聖堂というオランダの中でも大規模で、そして最も豪華に装飾された教会があります。

ここでは、聖ヤン大聖堂に関するユニークで興味深い秘密も含めてお伝えしていきます!

 

※ スへルトーヘンボス ('s Hertogenbosch) とは都市の正式名所ですが、一般的に「デンボス (Den Bosch) 」と呼んでいます。

 

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聖ヤン大聖堂

聖ヤン大聖堂はカトリックの教会で、オランダはもとより西ヨーロッパにおいて、とても興味深い建物と言われてます。

Sint-Janskathedraal

略して「Sint-Jan」とも表記します。

日本語では「聖ヤン大聖堂」または、「聖ヨハネ大聖堂」とも表現されています。

 

大聖堂の建築

最初の基となる教会は、1220年頃にロマネス様式の建築で始まりました。

その後、1380年から教会はゴシック様式の建築に移り変わり、増築や修復を繰り返して今の姿になったのです。

 

教会が完成した当時は、今よりもはるかに高い木製の塔が、教会の中心部に建てられてあったのですが、1584年に落雷により火災が起きて大被害に遭いました。

ヒエロニムス美術館展望台から教会の眺め

火災の後、被害にあった教会は再建することになりましたが、資金不足の影響もあり、中心部にあった高い塔は元通りにはならず、今現在のように低い塔になっているのです。

聖ヤン大聖堂南側

かつて、そのような高い塔が、教会の中心部に建てられてあったとは、全く想像がつきませんでした!

その姿を、実際に見ることはできませんが、興味深いことに、大聖堂のすぐ隣(北門)にある教会博物 (Sint-Jasmuseum) で資料が展示してあります。

 

この教会は、基の建物に継ぎ足すように増築されていきます。

博物館内にある、いくつかの資料を1つにまとめましたので、番号順に教会が増築される様子が分かると思います。

写真の④番には、当時の高い塔の様子が描かれてあります。

教会博物館の展示資料

西側の塔(写真の赤い部分)も当初は低かったのですが、増築されて今の高さになりました。

 

大聖堂の大きさ

  • 塔の高さ:73m
  • 教会の全長:115m
  • 教会の幅:62m
  • 中央ドームの高さ:41m

オランダにある、カトリック教会では最大規模の大きさです。

 

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彫刻

この教会の興味深いところは、彫刻を教会内部だけではなく建物の外側にも装飾してあり、その数は全て合わせて約600の彫刻があるそうです。

聖ヤン大聖堂の彫刻

 

ユニークな彫刻

数ある歴史的な彫刻に加えて、この教会にはユニークな彫刻の像があるのです!

それは、修復作業の1つとして携帯電話で話す天使の彫刻が、2011年4月2日に設置されました。

 

 Bellen met de engel. . .

『天使と電話する. . .』

聖ヤン大聖堂天使の彫刻

イタズラ電話がないように、ここでは写真にある番号を消してあります。

2012年には、興味深いことにニューヨーク・タイムズにも、この彫刻の話題が取り上げられました。

実際に、「携帯電話で話す天使の彫刻」を探し当てるのには、少し苦労しましたが発見することができました!

その彫刻は、南側の門の上の方に設置してあり、案内板も南側の門に掲げてあります。

 

もし、この教会を訪れることがありましたら「携帯電話で話す天使の彫刻」を見つけてみましょう!

そして、天使と電話で話してみませんか? 英語で話せます!

通話料は1分間、€0.80 ユーロセントです。

 

ステンドグラス

この教会のステンドグラスは、18世紀までのものは残っておらず19世紀中頃から造られたものが再配置されました。

その中には、一つだけユニークなステンドグラスがあります!

右下のステンドグラスに注目してください。

聖ヤン大聖堂のステンドグラス

少し変わったデザインに見えませんか?

聖ヤン大聖堂のユニークなステンドグラス

このステンドグラスは、フォトグラフを使用しています。

一番左下には、飛行機がありますね!
右側には、カエルも写ってます。

他にも怪獣のような絵もステンドグラスにあります。

 

もちろん、昔からあるものではないです!
修復作業において、このステンドグラスが作られました。

このステンドグラスは2007年に、西の塔の入り口に配置されました。

 

礼拝堂

この教会内には、いくつかの礼拝堂がありますが、
その中でも最も素晴らしいのが、このアントニウスカペル (Antoniuskapel) です。

聖ヤン大聖堂の礼拝堂

この彫刻でできた礼拝堂は、16世紀初期に製作されました。

このアントニウスカペルの礼拝堂の彫刻を見れるのは大変に貴重です。なぜならば、扉は常に開いていないからです。

この礼拝堂は、教会内の南門の入り口付近に置かれてあります。

 

パイプオルガン

ここでは、教会内に設置されているオルガンについて見ていきましょう。

 

グローテ・オルガン

聖ヤン大聖堂のグローテオルガン

【Het grote Hocque-Heyneman-hoofdorgel / De Grote Orgel】

教会内にある大きなパイプオルガンは、1426年にマーストリヒト出身の「アントニー・ファン・エレン」 (Anthonie van Elen) によって建てられたと記されています。

しかし、1584年の火災の影響で大被害に遭いました。

その後、1617 ~1620年に再び西側の壁に建てられ、何度か技術的な改善をしながら現在に至っているのです。

 

ハーレムにある聖バフォ教会のパイプオルガンの製造者「クリスチャン・ミュラー」も、1722年にこのオルガンの改良に携わったと記されています。

関連記事:ハーレムの有名なパイプオルガンのある聖バフォ教会

 

必見!オルガンの時計

このオルガンにも素晴らしい彫刻が施されているのですが、とても興味深いのは、オルガンの上部に時計が設置されています。

グローテオルガンの時計

実は、時計の下にある円筒に描かれた絵も時間と共に回転するという、ユニークな仕掛けがあるのです!

実際には、じっくり見てないと気が付きません。

この仕掛けを知っている人は、ほとんどいないでしょう!

 

コール・オルガン

聖ヤン大聖堂のコールオルガン

【Het Verschueren-koororgel / Koororgel】

教会のほぼ中央部には、ひとまわり小さなパイプオルガンもあります。

このオルガンは、1985年に設置されました。

歴史的には、あまり古くなく近年に製作されたオルガンです。

 

天文時計

さかのぼること1513年に、この教会には天文時計が設置され、多くの訪問者に魅了されたそうです。

しかし、時と共に壊れてしまい、当時は誰も直すことができませんでした。

ところが、この天文時計は近年の2010年に新しく再建され、現在はヒエロニムスミュージアム(Jheronimus Bosch Art Center)に展示されています。

 

当時の天文時計の上部に当たる部分が、教会内に保存されてあります。

聖ヤン大聖堂の天文時計の一部

ちなみに、天文時計の一部品の下にある2つの絵は、ヒエロニムス・ボスによって描かれた絵画が展示してあります。

 

アクセス

スヘルトーヘンボス駅

  • 利用するオランダ鉄道の駅:スヘルトーヘンボス駅 ('s Hertogenbosch)
  • アムステルダムからスヘルトーヘンボスまで、インターシティ (Intercity) で約1時間
  • スヘルトーヘンボス駅から教会まで、徒歩で約15分。

 

アドレスと地図

Torenstraat 16, 5211 KK 's-Hertogenbosch

 

最後に

いかがでしたか?

オランダにもこのように、素晴らしく立派な教会があります。

そして、この教会のユニークな一面もお分かりいただけたかと思います。

教会は毎日開いてますが、イベント等のある時間を除けば自由に見学することができます。

数々の歴史的な彫刻や、ステンドグラス、オルガン、そしてとても美しい祭壇など、教会の芸術を鑑賞するのも良いと思います!

 

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