フィンセント・ファン・ゴッホが2年間ほど暮らしていた、オランダのヌエネン (Nuenen) という小さな街。
有名な絵画にも描かれてるこの街には、ゴッホにまつわるスポットがたくさんあります。
その中から、主に街の中心部に近いところをピックアップして、街巡りした様子をお伝えしていきます。
ゴッホが暮らしていたヌエネンの街
Nuenen
オランダ第5の都市、アイントホーフェン (Eindhoven) の郊外にある小さな街「ヌエネン」
(英語読みなら、ニューネン)
ゴッホは30歳の時にヌエネンの街に来て、2年ほど住みながら絵を描いていました。
- 1883年12月5日〜1885年11月24日
この当時、ゴッホはまだ有名な画家ではありませんでしたが、全作品の4分の1をこの時期に描いていたそうです。
2つの銅像
まず最初に、ヌエネンのバス停からミュージアムに向かって行く途中に、小さな公園にさしかかり、そこではゴッホに関連する2つの銅像を見ることができます。
◼️ゴッホの銅像
いかにも画家さんらしい雰囲気が伝わる銅像です。
◼️『ジャガイモを食べる人々』の銅像
ゴッホの傑作『ジャガイモを食べる人々』を銅像にしたもの。
テーブルには、ちゃんとジャガイモも置いてあります。...とても硬そうですが。(笑)
ティーを注いでるシーンも、ちゃんと表現されています!
とても良くできてる彫像なので、ゴッホの絵画と見比べてみると興味深いですよ!
こちらは、フィンセント・ファン・ゴッホの椅子。
ここに座って記念写真を撮ることもできます。
ゴッホのスタジオ跡地
ゴッホは、この聖クレメンス教会 (Heilige Clemenskerk) の隣にあったスタジオで、数多くの作品を描いていました。
ヌエネンの街に来て1年後に父親が亡くなり、それからはこのスタジオで暮らしたそうです。
スタジオで使っていた家は1936年に取り壊され、その跡地に新しい建物が建てられました。
当時の建物は見れませんが、ゴッホゆかりの地という事で立ち寄ってみました。
この場所は、銅像のある公園の向かい側。
ファン・ゴッホ村ミュージアム【Van Gogh Village Museum】
こちらのミュージアムでは、ゴッホがヌエネンの街での生活の様子や、ブラバント時代における作品へのプロセスやエピソードなどについて紹介しています。
ミュージアムとして利用してる建物は、ヌエネンの旧市庁舎。
2023年には新しいデザインの建物も加わり、より多くのコレクションを展示できるようになりました。
館内では日本語の音声ガイドにも対応しており、かなり充実した内容になっています!
ミュージアムには絵画や図面、書籍、絵画にも描かれているブラバントの帽子などのコレクションが、たくさん所蔵されていて、音声ガイドを通じて詳しく知ることができます。
絵画『じゃがいもを食べる人々』の部屋もあり、訪問者が椅子に座って記念撮影できるようになっています。
ミュージアムの受付の側にはカフェがあり、ここでひと休みできます。
せっかくなので、コーヒーとアップルタルト (パイ) をいただきました。
ミュージアムショップもあるので、お土産を探してみるのもいいかと思います。
地元・ヌエネンの観光案内所 (VVV Nuenen) も併設してあるので、歩行ルートやサイクリングルートなどの情報も得られます。
参考までに、街中でおトイレは見つけづらいので、ここで用を済ましておいた方が無難です。
ファン・ゴッホ村ミュージアム詳細
◾️入場料 (オーディオガイド付き)
- 18歳以上:€13.5 / 6~17歳 €7.5 / 5歳まで 無料
- ミュージアムカードは無料
◾️営業時間
- 火〜日曜日 10:00 ~ 17:00
- 7〜8月 月曜日 13:00 ~ 17:00
※詳しい営業時間については、ウエブサイトを参照してください。
www.vangoghbrabant.co.uk/nl/home/nuenen
ヌエネンの牧師館【The Vicarage at Nuenen】
ミュージアムの反対側には、1764年に建てられた「ヌエネンの牧師館」があり、ゴッホの家族が住んでいました。
フィンセント・ファン・ゴッホが、家族と一緒に住んでいたのは、ヌエネンに来た最初の約半年間。
この建物も、ゴッホの作品に描かれていますね。
建物の左側には、ゴッホの母親 (アンナ) の銅像が置かれています。
ヌエネンの小さな教会【Van Gogh Kerkje Nuenen】
絵画『ヌエネンの教会から出る人々』に描かれている小さな教会は、1824〜1826年にかけて建築。
ゴッホの父親はこの教会で説教をしていました。
場所は、先ほどのファン・ゴッホ村ミュージアムから、歩いてほんの200mほど離れたところ。
長い年月が経ち修復や増築されていますが、当時の面影がそのまま残っています。
手前には案内板も設置されており、英語の説明でも記されています。
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正時には美しい音色のカリヨンが鳴り、とても澄んだ音色が聞こえますよ!
教会の外側にはフレームが設置されていて、そこから写真を撮ると絵画のようなアングルになります。
ゴッホは、1884年2月にこの教会の絵を母親のために描きました。
今回訪れた時は一般公開の日ではありませんでしたが、たまたまスタッフの方がいて、中を見せてくれました。
とても小さな教会なので、中はとてもシンプルです。
◾️一般公開日
- 4月〜10月 第2水曜日と最終日曜日、13:00 ~ 17:00
織工の小屋【Wevershuisje】
ファン・ゴッホ村ミュージアムと小さな教会の中間にあるのが、1763年に建てられた小屋。
織物工場のひとつで、ゴッホはこの小屋にも通って作品を描いていました。
2017年以降は宿泊施設として利用されているので、この記念碑の建物に泊まることもできます。
booking.com/hotel/nl/het-kostershuisje-nuenen.nl
ベゲマン家の織物工場【The Begemann Factory】
こちらは、ベゲマン家の織物工場。
織物といえば、ゴッホの絵画にも『機織る人』という作品をいくつか描いてますね。
ちなみに、ベゲマン家の娘であるマーゴット(Margot Begemann) は、ゴッホの恋人でした。
しかしながら、周りの人は2人の関係に反対しており、マーゴットは毒を飲み自殺未遂をして、悲劇的な結末となってしまいました...
建物の前には、簡単な説明書きのパネルが設置されていてます。
風車【De Roosdonk】
ゴッホのスケッチには、風車を取り入れた作品がいくつかあります。
その中に、この風車も描かれています。
ちなみの、土曜日になると風車にあるショップがオープンして、小麦粉などの穀物を販売。
- 営業時間:10:00 ~ 15:00
『じゃがいもを食べる人々』を描いたコテージ
ゴッホは、この小さな家に何時間も費やしてスケッチをしていたそうです。
そして、絵画『じゃがいもを食べる人々』のアイデアが浮かび描かれました。
コテージは柵で覆われていて中には入れないので、外側からの見学となります。
こちらにも、道路を挟んで反対側にパネルが設置されています。
水車を描いた場所【Water mill at Opwetten】
『オプウェッテンの水車小屋』
ゴッホが描いた風景画には水車を取り入れた作品もあり、そのモデルになった場所のひとつがこちら。
(絵画と同じようなアングルで撮ってみました)
ヌエネンの中心部からは遠いので、街巡りの最後として寄ることにしました。
ゴッホさんの絵画
"Water mill at Kollen"水車は現役で稼働してます。 https://t.co/I4crJGrEt7 pic.twitter.com/IvR4Mf1XhR
— アルト・オランダ (@Artoshack) November 12, 2023
この水車は実際に稼働していて、小麦粉などの穀物を挽いてます。
水車小屋のとなりの建物はレストラン。
帰路のバス出発時間までの調整もかねて、こちらのレストランでカプチーノを注文して休息をとることにしました。
www.dewatermolenvanopwetten.nl
アクセス方法
水車小屋へ行くには、ヌエネンの中心部からですと30分ほど歩くので、少しの区間だけバスを利用すれば、15分の歩行で済みます。
◼️バスでの移動方法
- 利用するバス路線:404、322号線 (Eindhoven Station 行き)
- Nuenen Centrum → Nuenen West
- バスの所要時間:3〜4分
車で行く場合には、通りに駐車スペースがあります。
帰路で再びこの停留所 (Nuenen West) に戻れば、アイントホーフェン駅に向かうバスに乗れます。
くれぐれもバスの出発時間には、気をつけて移動してください!
バスの運行状況 (時間表) は、アプリで調べるのが便利です。
以上で、ゴッホにまつわるヌエネンの街巡りは終わりです。
もし、時間があるようでしたら、全長10kmのウォーキングルートというのがあり、この記事でお伝えしてきた以上にゴッホにまつわるスポットを見て回れますよ!
Van Gogh NP walking tour Nuenen
ヌエネン中心部までの行き方
バス停【Nuenen Centrum】
ヌエネンまでは、鉄道のアイントホーヘン中央駅 (Eindhoven Centraal) からバスを使って移動します。
- 利用するバス路線:6、321、322、323、404、222号線
- 降りる停留所:Nuenen Centrum
- バスの所要時間:12〜21分
- バス停からミュージアムのある場所まで、徒歩10〜15分
🔵お伝えしてきたスポットの地図
おわりに
ヌエネンという小さな街には、ゴッホにまつわる場所がたくさんあります。
ゴッホの絵画と、それぞれのスポットを見比べてみると、一味違った楽しみ方にもなりますし、屋外の博物館のように見て回ることもできます。
そして、よりいっそうゴッホに近づけることでしょう!