オランダ北部のフリースラント州にある、長閑で小さな街「スタフォーレン」
Stavoren
アイセル湖に面しているこの街には、期間限定でフェリーがアクセスしていることもあり、船旅を楽しみながら行くことができます。
都会の騒がしさを忘れて、静かで長閑な雰囲気を探しているのでしたら、オススメのスポット!
それでは、スタフォーレンの街を訪れてきた様子をお伝えします。
フェリーで行くスタフォーレンの街
アイセル湖に面したスタフォーレンという街の起源は、紀元前300年にもさかのぼり、11世紀に都市権を取得したフリースラントで最古の都市という歴史があります。
12世紀にはハンザ同盟のメンバーにもなり、貿易都市として繁栄していましたが、今現在ではこじんまりとした静かな街になっています。
ほとんど知られてないと思いますが、とても長閑で綺麗な場所!
それでは、スタフォーレンに行く方法と、街の散策した様子を順を追ってお伝えしていきます。
まずはフェリーの旅から
スタフォーレンの街に行くフェリーは、エンクハウゼンの港から出航。
- Enkhuizen ~ Stavoren
そのエンクハウゼンまでは、オランダ鉄道がアクセスしています。
アムステルダム中央駅からならば、インターシティ (Intercity) で1時間ちょうど!
車で行く場合でもエンクハウゼン駅のそばに、長時間無料で駐められる駐車場があります。
※鉄道でレーワルデン経由で行くこともできますが、この記事では船旅の方法でお伝えしていきます。
そして、船乗り場はエンクハウゼン駅のすぐ近く!
フェリーの運航は、期間限定で1日3本。
- 4月:限定的
- 5〜6, 9月:月曜を除く毎日
- 7〜8月:毎日
- エンクハウゼンの出発時間、8:45 12:45 16:45
- スタフォーレンの出発時間、10:25 14:25 18:25
私が利用した船便は、エンクハウゼンを8:45に出発して、帰りはスタフォーレンを14:25の便で戻りました。
もし、12:45の船便ならば、18:25で戻ってくるのが良いでしょう!
VVV-Enkhuizen
フェリーのチケットはオンラインで購入するか、エンクハウゼン駅前にある観光案内所 (VVV Enkhuizen) フェリーに乗船する際に係員からも買えます。
現地でチケットを買う場合はカード決済のみ。
現金は取り扱っていませんので注意を!
◾️フェリーのチケット (2024年 往復料金)
12歳以上 24.5ユーロ / 4〜11歳 19.5ユーロ
フェリーの大きさは中型くらいで2階建。
船の前後には甲板があり、自転車 (別途料金) も後方に載せられます。
乗船は後方からで、スタッフがチケットを確認します。
🇳🇱オランダの船窓から⛴️
IJsselmeer pic.twitter.com/csgGJD5Kff— アルト・オランダ (@Artoshack) June 25, 2023
エンクハウゼンからスタフォーレンまで、約25kmの距離を80分かけて移動。
甲板に出て爽やかな風を受けながら、湖を眺めるのも良いですよ!
フェリーの後方からは、こんな感じ。
たくさんの自転車が載せられていて、サイクリングを楽しむ人もたくさんいます。
カフェは船内の前方にありますが、出発してしばらくするとスタッフが注文を聞いてきます。
飲み物はジュースやコーヒ、紅茶、ビールやワインもあり、軽食やおつまみも取りそろえています。
支払いはカードと現金でも大丈夫。
私は朝イチの便を利用したので、朝食にトーストとオレンジジュースを注文して、時間を置いてからカプチーノもいただきました。
もちろんカフェに直接行って、注文することもできます。
スタフォーレンの散策
VVV-Stavoren
エンクハウゼンから80分の船旅を終えて、スタフォーレンの街に到着。
船を降りると、すぐ目の前には街の観光案内所 (VVV Stavoren) があるので、街歩きやサイクリングのルートなどの情報も得られます。
ポストカードや、お土産も売ってますよ!
巨大な魚の噴水
スタフォーレンで一番強烈な物はというと、船着場のすぐ近くにある巨大な魚の噴水!
口を大きく開けた様子は、ちょっとグロテスクっぽい感じにも見えます😅
フリースラントには11個の噴水アートがあり、その内のひとつがこれ。
フリースランドにある、11の噴水のひとつ🐟️⛲ pic.twitter.com/Y1e49JlOzV
— アルト・オランダ (@Artoshack) June 25, 2023
噴水の水は、口と頭から噴き出てきます。
私が訪れた日は気温が30度もあったので、水着を着た小さな子供たちが、魚の口の中で水遊びをする様子も見かけられました。
【フリースラントのコペンハーゲン】カラフルな家々
Copenhagen in Friesland
港に面したところに立ち並ぶ、カラフルな家々。
地元の案内では「フリースラントのコペンハーゲン」とも言われ、スタフォーレンを象徴するスポットにもなっています。
コペンハーゲンのように建物は大きくないですが、何となく雰囲気はありますね。
綺麗な街並みを散策
湖に面したスタフォーレンの街は、地図を見ると1時間もあれば一回りできるほどの大きさ。
という事で、街中の運河に沿って歩いて行きました。
街の様子は大きな建物は無く、こじんまりとした家々が立ち並んでるのが特徴的。
街全体はとても綺麗に整備されていて、路上や芝の上などにゴミはほとんど見かけませんでした!
天気が良かったこともあり、街の景色がとても綺麗です!
運河に架かる橋に飾られた花は色鮮やか!
ちなみに、オランダのいろんな街でも同じような光景を目にします。
跳ね橋も数多くあり、絵になるような場所がたくさん!
スタフォーレンの街には、数多くのヨットが停泊する場所もあり、豪華な船も見かけます!
小さなビーチもある!
運河から湖の方に移動すると、小さいながらもビーチがあります。
一言。
水ある所に🇩🇪ドイツ人来たり‼️
😅 https://t.co/wheW8Pm8J4— アルト・オランダ (@Artoshack) June 25, 2023
暖かい日曜日にも関わらず、海岸はかなり空いていました。
この小さなビーチでくつろぐのもいいでしょう!
ただし、夏休みになるともう少し人が増えるかもしれませんね⁉️
【ホーグランド】ポンプ場
J.L. Hooglandgemaal
スタフォーレンには巨大な電動のポンプ場があるので、お伝えしておきます。
このポンプ場の役割は、フリジア湖につながる川からアイセル湖に水を排出します。
ミュージアムではないので中に入って見学はできませんが、建物の裏を見ると巨大なポンプが4つも配置されているのが分かります!
橋が上がって、たくさんの船が行く⛵⛵⛵
...しばらく足止め😶 pic.twitter.com/er2aPbJuTj— アルト・オランダ (@Artoshack) June 25, 2023
湖と川との水位が異なるこの場所には水門があり、船がここを通る際には橋も上がるので、しばらく足止めを食らう可能性も!
かつての要塞跡【ブロックハウス】
Het Blokhuis
1525年以降、この場所にはスタフォーレンの港を守る目的の要塞がありました。
数十年前の発掘調査で、城壁の破片や砲弾などを発見。
今現在では古い基礎の上に、鉄鋼やガラスを用いたアートで、想像上の要塞を構築しています。
場所はカラフルな家々の立ち並ぶ裏側で、自由に見学ができます。
【スタフォーレンの貴婦人】銅像
Het vrouwtje van Stavoren
街をひと回りして、再び港の方へ戻ってきました。
港にある跳ね橋/水門のすぐそばに、遠くを見つめてる女性の銅像が立っているのですが、これには興味深い物語があるのです。
かつてスタフォーレンの街は大変繁栄していましたが、15世紀以降になると荒廃してしまい、経済的にも悪化してしまったという事実があります。
その様子を例えるかのような物語があり、この女性の銅像が主人公。
その民話とは... (簡単に)
昔、スタフォーレンの街一番の大金持ちの若い未亡人がいて、『世界で一番豪華なものを持ち帰りなさい』と、船長に言いました。
船長は一年かけて世界中を周り、素晴らしい宝石などを目にしました。
しかし、船長が持ち帰ったのは、なんと「小麦」!
そして、貴婦人にこう言いました。
『豪華な宝石などが無くても、小麦があれば毎日生きていく力となり、飢えて死ぬことはありません!』
この話を聞いた貴婦人はカンカンに怒り、その小麦を海に捨てるように命じました。
その様子を見かけた老人は、貴婦人に対して『あなたには罰があたり、物乞いする時がくるでしょう!』
すると貴婦人は豪華な指輪を外し、海に投げ込みこう言いました『この指輪が戻らない限り、私は乞食にはならない!』
...ある晩、料理する魚のお腹の中から指輪が出てきて、貴婦人はビックリ!
それからというもの災難が次々と起き、貴婦人は貧困に陥ってしまいました。
...というお話です。
こちらに、その物語の動画を紹介しておきますね!
街での食事・休憩
小さい街なのでレストランの数は少ないですが、いくつかお伝えしておきます。
港のレストラン
De Visserman
フェリー乗り場の近くにあり、そして港にも面した見晴らしの良い場所にあるレストラン。
◾️営業時間
金〜火曜日 12:00 ~ 21:00
「スタフォーレンの貴婦人」銅像の傍にもテラスがあり、港が眺められる絶好のスポット。
テラスからの眺めはこんな感じで、長閑な光景を満喫できす。
先にお伝えしたコペンハーゲンのようなカラフルな家々や、ヨットなどの船もたくさん停泊!
この日は珍しく暑い日だったので、大きなアイスクリームをいただきました😋
メニューは色々あるので、コーヒータイム以外にもランチやディナーも楽しめます。
魚屋さんのお店
Staverse Vishandel
こちらは魚専門のお店ですが、フライドポテトなどもを販売しています。
◾️営業時間
毎日 12:00頃 ~ 18:00
オランダ定番の魚料理といえば、ハーリング (ニシンの塩漬け) やキべリング (白身魚の唐揚げ) 。
ソフトアイスクリームも売っていました。
こちらは、キベリング!
お店の傍にテーブルと椅子があるので、そこに座って休息しながらいただけます。
ホテルのレストラン
Hotel de Vrouwe van Stavoren
朝の早い時間ですと、閉まってるお店がほとんどです。
その場合、このホテルのレストランなら、8時からオープン。
スタフォーレンに到着して、早速カフェなどを楽しむのでしたら、こちらに!
もちろん、おトイレもあります。
◾️営業時間 (4月〜10月)
火〜日曜日 8:00 ~ 21:00
フリースラントのお土産
再び観光案内所に戻り、帰りのフェリーが来るまで時間があったのでお土産を見て回り、昔ながらのフリースラントの飴を買いました。
小さな箱の中にはカラフルな飴が入っていて、ハッカのような風味やミントなど味は様々😋
パッケージに『 Tige tank ! 』と書かれていますが、これはオランダ語でなく、フリジア語で「どうも有難うございます」という意味。
スタフォーレンの街で約4時間の滞在を終え、再びフェリーに乗り80分間の船旅を楽しんで、エンクハウゼンに戻りました。
紹介してきたスポットの地図
終わりに一言
フリースラント州にある、小さなスタフォーレンの街をお伝えしてきました。
フェリーで行く楽しさや、長閑なオランダの田舎町を散策したり、港のカフェでくつろいだりと、のんびりとしたひと時を過ごすには最適な場所のひとつ。
特に夏頃が一番良い季節で、それに合わせてフェリーも運航しています。
オランダで、あまり知られていない長閑な場所を探している人には、オススメのスポットですよ!