オランダには、たくさんの風車が至るところで見かけられますが、その中でもスタイリッシュでひときわ美しい、アドリアーン風車 (De Adriaan) がハーレム市内にあります。
この風車は博物館になっており、専属のガイドさんの同行により内部を見学したり、上部のデッキからハーレム (Haarlem) の街を一望することもできます。
それでは、この風車の意外な事実も含めて、紹介していきたいと思います。
※2023年5月7日 更新
ハーレムの美しいアドリアーン風車
ハーレム市内の中心部を流れてるスパールネ川のほとりに、この風車は建てられてあります。
昔は、産業用の風車として活躍してましたが、今現在は「博物館風車」としてハーレムの観光スポットにもなってます。
実はこの風車、昔から存在してるものではないのです!
風車の歴史
アドリアーン風車が正式にオープンしたのは、1779年5月19日のことです。
オープンした当時は、産業用の風車として、セメントや塗料材料の粉砕、また木の樹皮の粉砕としても利用されていました。
19世紀のはじめの頃になると、タバコの生産を目的として使われるようになりましたが、その後、19世紀中頃からは主に穀物の製粉として稼働してました。
火災による大被害
1932年4月23日、なんとアドリアーン風車は大規模な火災に見舞われてしまい、全壊してしまいました!
消防隊はすぐに駆けつけたのですが、火災から風車を防ぐことはできなかったそうです。
地元の市民にとっては、ショッキングな出来事でした。
火災の原因はハッキリとしていませんが、風車内部から発火したと言われています。
そして、火災のあった数日後から風車の修復にあたる募金活動が企画されたそうです。
ですが、資金調達は難航し、なかなか復元のメドが立ちませんでした。
その後、ハーレム市が資金を協力する事もあり、ようやく復元のメドがついた1999年に、着工することになったのです。
そして、火災から70年後の2002年4月23日に風車は完成しました。
アドリアーン風車は、デモンストレーション用の博物館風車として生まれ変わったのです。
つまり、今存在してる風車は18世紀のものではなく、近年に復元された新しい風車なのです!
余談ですが、私がオランダに来たのは、風車の復元がはじめられた同じ年、1999年です。
そのこともあり、この風車には少し親近感があります!
風のある日には、実際に風車の羽根が回っているのを見ることもできます。
風車の博物館
風車の内部は博物館になってますが、見学には専属のガイドさんの同行が必要となります。
ガイドツアーは30分おきに始まり、英語にて約45分間行われます。
風車内にはいくつかの模型が展示されており、ガイドさんによりそれらの模型を用いて、オランダの風車の構造や歴史など、風車にまつわるお話しを聞くことができます。
一通りの説明が終わると、風車の上部デッキから外に出て、ハーレム市内を一望することができます。
せっかくですので、そこで記念に写真を撮るのもいいですよ!
ガイドツアーはさらに上の階へと進み、そこでは風車の歯車が見られ、どのように稼働しているのか説明が行われます。
風車内の移動に注意を!
風車内の階段は、とても狭くて急な場所もあるので、登り降りには十分気をつけましょう!
急な階段を降りる時には、ハシゴを登り降りするように面を階段に向けて移動します。
この風車に限らず、ほかの風車でも同じことが言えます。
博物館 (風車) の詳細
🔘入場料 (英語ガイド付き)
- 13歳以上、€7.5
- 5〜12歳、€3.5
- 4歳以下は安全のため入場不可
ガイドツアーの定員は12名。チケットはオンラインでの申し込みですが、空きがあれば現地でも買えます。
受付けは風車の一階で、小さなお土産ショップを兼ねた待合室があります。有料ですがコーヒーやティーなども用意されています。
🔘営業時間
11月1日〜2月28日(29日)
月、金曜日: 13:00 ~ 16:30
土、日曜日: 10:30 ~ 16:30
3月1日〜10月31日
月〜金曜日: 13:00 ~ 17: 00
土、日曜日: 10:30 ~ 17: 00
🔘住所
Papentorenvest 1A, 2011 AV Haarlem
(ハーレム駅から徒歩で約15分)
最後に
一見すると、歴史的な風車だと思われますが、意外な事実がお分かりいただけた事でしょう!
専属のガイドさん抜きで、この風車内を自由に見学することはできませんが、入場料は高くありませんので、もしハーレムの街を訪れるようでしたら、この風車を見学するのも興味深いと思います。
ハーレムの街に関しては、こちらの記事で紹介しています!