オランダでは2月27日木曜日に、最初の新型コロナウイルス感染者が確認されて以来3ヶ月以上が経ち、今では感染者や死亡者数の報告がかなり減少してきています。
3月12日以降に発表された政府機関の情報を元に、オランダ国内の感染状況と段階的な予防措置についてまとめました。
※2020年10月18日 更新
オランダでの新型コロナウイルスの状況
3月下旬から4月上旬にかけてがピークでしたが、6月に入ってからの感染者数、入院患者数、死亡者数はかなり減少しています。
🔵 保健所に報告された感染者数
🔵 入院した患者数
🔵 死亡者数
こちらのリンクより、オランダ国内での感染状況が見られます。(オランダ語)
www.rivm.nl/coronavirus-kaart-van-nederland
オランダでの対応措置
オランダ国内でのロックダウン (都市封鎖) は解除されていますが、他人との距離を 1.5m 保つという措置は一部を除き、引き続き行われています。
今後も、段階的に規制の緩和が行われる予定です。
※10月14日付で、新たなロックダウンの措置が取られました。詳しい内容は、こちらの記事に記載していますので、あわせてご覧ください。
🔵 7月1日よりヨーロッパ (EU加盟国) 以外から、日本も含めた14か国の入国が可能になりました。
ただし、状況は2週間ごとに更新され、急変した場合には速やかに変更されます。
日本からオランダへの入国に関して、次の対応措置は必要なくなりました。
- 搭乗前における健康申告
- オランダに到着後、14日間の自己隔離
🔴 注意事項!
ヨーロッパへの入国が可能なのは、全ての国ではありません。
入国規制が解除となっている国々は7月4日の時点で、オランダ、ルクセンブルグ、フランス、イタリア、ギリシャ、クロアチア、ラトビア、キプロス。
この措置に法的な拘束力は無く、それぞれのEU加盟国が判断するとのこと。
ドイツとオーストリアでは、引き続き日本からの入国を制限しています。
🔵 6月15日より、EU圏内の国境が再びオープンしています。
オランダも含め、ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツ、フランス、イタリア、ポルトガル、ポーランド、チェコ共和国、クロアチア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、エストニア、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイスの国です。
◾️7月1日からの追加国
デンマーク、ギプロス、ギリシャ、ハンガリー、モナコ、オーストリア、スペイン。
※ポルトガルのリスボンとポルトの都市は、再び規制の対象になりました。
日本での措置
オランダも含めヨーロッパは、感染症危険情報レベル3
レベル3の意味とは「渡航は止めてください、渡航中止勧告」
ヨーロッパでは日本からの入国制限は解除されましたが、ヨーロッパから日本に入国する際には、PCR検査と14日間の自己隔離が要請されています。
オランダ国内における新型コロナウイルスの感染予防措置
RIVM (オランダ国立公衆衛生環境研究所) より、コロナウイルスに対する予防措置
6月1日より、コロナウイルスと思われる症状がある人は、保健所 (GGD) に直接連絡してテストが受けられます。
🔵 コロナウイルスに対する基礎対策
- 定期的に手を洗う、消毒用アルコールによる消毒を行う
- 咳やくしゃみは肘で覆う
- ティッシュペーパーを使う
- 握手をしない
- 風邪の症状がある場合は自宅待機
🔵 次の症状がある人は自宅で待機
- 鼻風邪
- 鼻水
- くしゃみ
- 喉の痛み
- 軽い咳
- 熱 (38度)
家族に1名発熱症状を持つ者が出た場合、陽性判定されていない場合であっても家族は全員自主隔離しなければなりません。ただし、必要不可欠の職業に就いている者については、例外もあり得る。
オランダ中央政府 (Rijkskoverheid) からの、コロナウイルスに対する予防措置
🔵 5月11日から規制緩和の対象
- 保育施設、小学校の限定的な再開
- マッサージ師
- 美容師
- ネイルスタイリスト
- 運転インストラクター
- 全ての年齢層で、屋外で非接触のスポーツが可能 (スポーツジムも屋外で可能)
- 図書館
※接触を必要とする職業は、予約制として事前に健康状況について話し合うこと。
🔵 6月1日から規制緩和の対象
次に挙げる施設等は、最大入場者数30名まで、1.5mの距離を保つ、訪問の予約を条件に営業が再開されます。
- カフェ、レストラン、バー
- 映画館
- 文化施設 (ミュージアム*、コンサートホール、劇場など)
- 教育機関では、中・高等教育の限定的な再会 (6月2日から)
- 鉄道、地下鉄、トラム、バスを利用する場合は、バスクの着用が必須
*ミュージアムは、規模によって入場者数が異なります。
🔵 6月15日から規制緩和の対象
- 高等教育 (MBO、HBO)、大学については限定的に再開
🔵 7月1日から規制緩和の対象
次に挙げる施設等はスタッフを除いて、最大入場者数を室内では100人まで、屋外では250人までの利用が可能。
- キャンプ場、ホリデーパーク
- カフェ・レストラン
- コーヒーショップ
- 店舗
- 映画館、図書館
- 文化施設 (ミュージアム、コンサートホール、劇場など)
- 教会の礼拝
- 結婚式、葬式
- セックスワーカー
- サウナ、ジム・フィットネスクラブ
- カジノ
- 屋内・屋外でのスポーツが可能
動物園や遊園地では、他人とのの距離を1.5m保つことを前提に、入場者数の制限は無し。
ミュージアムは、施設の規模によって入場者数が異なります。
🔵 9月1日から規制緩和の対象 (予定)
サウナ、屋内のジム・フィットネスクラブカジノセックスワーカー- ディスコ、ナイトクラブ
コーヒーショップ全てのスポーツ (屋内・屋外)- スポーツイベント・試合 (サッカーなど)は、
無観客で実施 - フェスティバルや大規模なコンサート (検討)
🔵 これまでに発令されている予防措置
- 風邪、咳、のどの痛み、発熱がある場合は家に待機して、社会的接触を避ける。
- できる限り混雑した場所や、他人との密着を避ける。
- 外出は可能だが、1.5mの距離を保つこと。
- 可能な限り自宅での勤務、または勤務時間をずらす。
- 自宅に家族以外の者を呼ぶ際は、最大3名までに制限。
- 高齢者や抵抗力の弱い人への訪問を制限。
- 買い物と出勤は認められるが混雑を避ける。
- 買い物は同伴者を連れてはならず、一人のみ認められる。
- 外出する際、近所や道路の往来においても、3名以上が固まって行動することを禁止。
- 上記のルールに反した場合は、事業主に対しては最大4000ユーロ、個人に対しては最大400ユーロの罰金が科される。
関連記事 ミッフィー誕生65周年とコロナ禍でのユトレヒト街の様子
公共交通機関での対応
6月1日より、オランダで公共交通機関を利用する場合には、医療用以外のマスクの着用が義務化となります。マスクを着用していない乗客には95ユーロの罰金。
隣国のベルギーとドイツでも、マスクの着用が義務化となっています。
🔵 航空便
これまで、アムステルダム発着の日本路線には大幅な規制がありましたが、6月29日より再び増便されています。
◾️KLM運行状況の検索サイト
www.klm.co.jp/flight-status
※機内でのマスク着用が義務化となっており、5月11日から8月31日まで適用が予定されています。なお、マスクは利用者自身で用意する事。
🔵 オランダ鉄道
- 駅の窓口は営業していますが、支払いは可能な限りカード決済
(補足:コンタクトレス決済が好ましい) - 車内検札は乗車券を自分で保持した状態でスキャンを行う
- 4月28日以降、段階的に列車の運行本数を増発
- 6月2日から通常運転
- 座席の制限が、7月から全席利用可
🔵 トラム、バス
- 乗車は後方の扉から
- 運転手保護のために車両前部は閉鎖
- 乗車券 (チケット) は券売機で購入するように、またはOVチップカードの使用
- バスでの車内販売は中止
- 乗務員が自動でドアが開くように操作 (一部)
🔵 タクシー
- 事前に健康診断と予約
- 車内では非医療用マスクの着用
※13歳以上が対象
運行時間の確認
運行時間・本数の変更も生じてくるので、インターネットやアプリなどで、運行時間を確認することを勧めます。
【参考記事】
お店での対応
🔵スーパーマーケット、その他ショップ
- 入店の際は、買い物用カート又は買い物カゴの使用を義務化
- 支払いは可能な限りカード決済 (補足:コンタクトレス決済が好ましい)
- 現金での支払いは手渡しでなく、台 (テーブル)や容器に置く
- 人同士の距離を1.5m保つ
手洗いについて
何か物をつかんだり触れた場合には、手を洗うように呼びかけています。
🔵 一般的に手洗いを勧めている事
- 手が汚れている場合
- 食事・料理前
- トイレの後
- 咳やくしゃみを手で覆った場合
- 鼻をかんだ後
- 外で遊んだ後
- 動物に接した後
- オムツを替えた後
- 掃除の後
🔵 物に触れることのある一例
- 買い物カゴ
- ドアノブ
- 階段、エルカレーターの手すり
- エレベーターのボタン
- 信号のボタン
- 車両のドアボタン
- バス・トラムの停車ボタン
- 手すり
- ガソリンスタンドのノズル
- タッチパネル (券売機など)
- 決済端末機のキーボード
- 公共のゴミ箱のフタ
このように挙げたら切りが無いですが、それだけ日常生活では物に触れる機会が多いのです。
すぐに手が洗えない場合には、ハンドジェルの使用も勧めています。小さな携帯用なら持ち運びにも便利ですね。
ハンドソープやハンドジェルは、スーパーマーケットやドラッグストアーで購入できますが、売り切れ状態が以前から続いているのも現状です。(地域・店舗によって差はあります)
🔵 主なドラッグストアー
🔵 全土的なスーパーマーケット
その他に気をつける事として、手で顔に触れないようにする。(特に目、鼻、口)
オランダ (ヨーロッパ) では、挨拶で握手や頬にキスする習慣がありますが、その行為はしないように。
マスクの使用について
オランダではマスクの使用は必要ないと伝えていましたが、段階的に外出の規制緩和に伴い、マスクの着用を示唆しています。
6月1日より、公共交通機関を利用する場合には、マスクの着用が義務化となります。
KLMオランダ航空では、5月11日から8月31日までの間に、マスクの着用が義務化となりました。スカーフでの代用も可能です。
マスクについては、医療従事者に医療用マスクが必要とされているので、それ以外の種類のマスクを使用することを求められています。
買い占め・パニック?
3月12日の政府の発表によって、動揺した人が多くいたのでしょうか。
翌日の13日にスーパーマーケットでの買い占めが、ほぼ一斉に起きてしまいました。
オランダのルッテ首相は、『在庫は十分にあるので買い占めは必要ないと』と伝えましたが、やはり人間の心理的なものなのでしょうか、引き続き買い占めする人もいるようです。
現在では通常に買い物ができますが、ペーパー類やソープ・ハンドジェルなどは、未だに品薄な店舗もあります。
なお、トイレットペーパーは、この先10年間は心配ないとのことです。
おわりに
コロナウイルスに対する感染予防措置は、今後も変更される可能性があり得ます。
オランダに在留登録している日本人ならば、大使館から最新の情報がメールで送られてくるので、政府の追加措置が日本語で確認できます。
不安要素の多い中、去る3月13日にロッテルダムのエラスムス医療センターとユトレヒト大学の研究チームが、コロナウイルスの抗体を発見したというニュースがありました!
そのニュースはこちらから (英語)
www.erasmusmagazine.nl
ただし、医療品として市場に出回るまで、様々な試験が必要とのことで時間はかかりますが、明るいニュースとして受け止めております。
今出来ることは、人それぞれが気をつけてコロナウイルスの予防対策に努めるしかないですね。
新しい情報が入りましたら、なるべく更新していく予定です。
🔵 参考となるウエブサイトを、こちらに記載しておきます。
RIVM (オランダ国立公衆衛生環境研究所) の最新発表 (英語)
www.rivm.nl/en/news/current-information-about-novel-coronavirus-covid-19
在オランダ日本大使館からの過去メール
www.nl.emb-japan.go.jp/itpr_ja/r_corona.html
外務省海外安全ホームページ (日本)
www.anzen.mofa.go.jp