アムステルダム市内には地下鉄、トラム、バスの交通網が充実していて、広い範囲へ移動することができます。
特にトラムは、主な観光名所へアクセスしているので、とても便利に利用できます。
しかし、はじめてアムステルダムに来た時に『どこで切符を買って、どうやって乗り降りするの?』...と、疑問に思うはずです。
そんな事のないように、アムステルダムの交通機関を共通して使えるチケット (乗車券) の買い方と、それぞれの乗り方についても解説していきます。
※2023年5月1日 更新
チケット(乗車券)について
(チケットの表と裏)
まずはじめに、アムステルダムに限らずオランダ公共交通機関のチケットには、ICチップのようなものが埋め込まれてあり、乗り物に乗車・降車する際に、専用の機械でチケットをスキャンしなければなりません。
つまり、日付をスタンプする打刻機は無く、乗り物に乗車・降車する情報はチケットに記憶されます。
参考までに、使い捨てチケットの他に OV-chipkaart という、日本のSuicaと似たようなカードもありますが、カード代金として €7.5ユーロが必要。
短期間の旅行では、使い捨てチケットの方が便利に利用できます。
【参考】OV-chipkaart (OV チップカード) については、こちらの記事で解説しています。
アムステルダム公共交通機関の共通券
アムステルダム市内の地下鉄、トラム、バス、フェリーの交通機関を運営しているのが、市営交通会社「GVB」(Gemeentevervoerbedrijf)
そして、これらの交通機関全てに共通して利用できる使い切りのチケットは、1時間券から最大7日間 (168時間) 有効のものまであります。
その中でもよく使われるチケットが24時間券!
GVBのチケットは時間で利用期間を設定しているので、はじめて使うときにチケットをスキャンしてからカウントが始まります。
※チケットに使用する時間は表記されないので、使い始める時間を覚えておく必要があります。
例えば、夜の19時に24時間券のチケットを初めて使う (スキャンする) 場合には、翌日の19時まで有効。
つまり、先にチケットを買い置きして、後日に使うこともできます!
🔵 GVBの路線図は、こちらから参照できます。
注意事項
次の交通機関に GVB のチケットは利用できません。
- NS (オランダ鉄道)
- EBS (バス)
- Connexxion (バス)
※GVBを含めたEBSとConnexxionのバスを利用する際には、BTMという1時間半有効なチケット (6.5ユーロ) があります。
車内で検札が行われた場合に有効なチケットを持っていないと、€50ユーロの罰金に加えて乗車区間の料金を支払うことになってしまいます。
自動券売機での買い方
GVBチケットの自動券売機は地下鉄の各駅に設置してあり、アムステルダム中央駅構内にも数ヶ所あります。
それ以外では、一部のトラム停留所にも配置されています。
目印はステンレスと青色の券売機!(2023年現在は券売機が新しくなり、上部が赤い色になっています)
では、自動券売機によるチケットの買い方について解説していきます。
①画面をタップ・英語表示に切り替え
まずは、言語を英語表記に切り替えます。
画面下の [Englishi] をタッチ。
※画面はタッチスクリーンですが、反応があまり良くない場合には少し強めに押してみてください。
②チケットの種類を選択
上から2番目の [Buy disposable GVB chipcard] をタップします。
③利用する時間を選択
左から2列目の項目で、利用したいチケットの時間帯を選びます。
上から順に、
【2023年1月からの料金】
最大で168時間 / 7日間までのチケットが用意されています。
ここでは、24時間券 [GVB 24 hrs / 1 day] を選んでみます。
④チケットの枚数と決済方法を選択
左から3列目の項目で、チケットの枚数を選びます (まとめて5枚まで購入可能)。
支払い方法は、現金 (硬貨と紙幣)、PINカード (デビットカード)、クレジットカード (VISA、MasterCard) が利用できますが、 一部現金の使えない券売機もあります。
⑤レシートの有無を選択
カードで決済をする場合はレシートの有無も表示されるので、Yes または No を選択します。
⑥決済
画面右側で支払いを行います。
🔵 現金
上側に硬貨 (キーボードの上) と、紙幣 (キーボードの右上) の投入口があります。
硬貨は10セント以上のコイン、紙幣は5、10、20ユーロが使えます。
🔵 カード
キーボード操作盤の真下にカードの挿入口があります。
※カードの挿入と取り出しは手動で行います。
カード決済の場合は、キーボード操作盤の小さな画面にメッセージが出てきますので、それに従ってカードを挿入して4桁の暗証番号を入力します。
次にキーボードの [OK] ボタンを押して、画面のメッセージに従ってカードを取り出します。
⑦チケットとお釣りの取り出し
決済が完了すると画面下の取り出し口に、チケットが出てきます。
チケットは左側、お釣りとレシートは右側。
⑧これがGVBの24時間チケット!
チケットはクレジットカードと同じ大きさで、厚みのある紙です。
料金の上に使用期限が表示されているので、その日まで有効。
このチケットに表記されている [ 15/04/2024 ] とは、2024年4月15日までに使いましょうという意味。
運行時間を検索するアプリがあるので、交通機関を利用する際にはぜひ参考に!
その他の購入場所
GVBチケットは、地下鉄駅以外の場所でも購入が可能。
アムステルダム中央駅の15番線側の改札「IJ-zide」には OV Servicewinkel というサービスセンターがあります。
1番線側の改札にあるトラム乗り場の反対側にも、GVB Tram Bus Metro というサービスセンターがあるので、人員から直接チケットを購入できます。
現在、トラム停留所にも自動券売機が配置されている場所があります。
その他には、市内の Primera や Bruna など、様々なショップでも取り扱い。
◾️ GVB サービスポイント
これらのサービスセンターでは、子供用 (4~11歳) に24時間券/€4.5ユーロも取り扱っています。
トラム・バス車内での買い方
トラムとバスでは、1時間券と24時間券のチケットを購入することができますが、現金では取り扱っていません。
支払いは非接触決済カード、または4桁の暗証番号が対応している次のカードです。
バスは、運転手からチケットを直接買えます。
トラムの場合は、車内後方に乗務員のいるカウンターで購入することができます。
(もし、後方に乗務員がいない場合は運転手から買います)
一部の路線では新型車両 (上部の画像) が投入されており、このトラムの場合は後方に乗務員がいないので、前方の運転手からチケットを購入します。
デビットカード・クレジットカードだけでも直接乗車できる!
2023年1月以降においてはチケットを買わずに、デビットカードやクレジットカードだけで直接乗車することが可能になっています。
その方法とは、次の項目でお伝えするチケットの使い方と同様に、駅の改札ゲートやトラム・バス車内にあるカード読み取り機に、デビットカードやクレジットカードをかざす (スキャン) だけ。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
チケットの使い方と交通機関への乗り方
地下鉄 (メトロ) の場合
地下鉄の駅には自動改札が設置してあり、オレンジ色の丸い部分 (カード読み取り機) にチケットをかざしてスキャンするとゲートが開きます。
通行は、スキャンする機械の左側を通ってください。
※改札を出入りする度に、チケットをスキャンします。
乗車・降車の際には、ドアの中央部分にあるボタンを押すと扉が開きます。
※ドアは自動で開きません!
アムステルダムの市営交通会社はGVB ですが、R-NET という車両もあります。
少し間際らしいので説明しておきますが、R-NETとは高品質の公共交通機関を提供し、自治体と提携して運行している会社です。
オランダでは地下鉄のことを「メトロ」と言います。
地下鉄の駅がある場所には M と記された大きなサインがあるので、それが目印。
トラム・バスの乗り方
トラムに乗る場合は、一番前か後方から2両目のドアから乗車。
乗車する場合は、地下鉄と同じようにドアのボタンを押すと扉が開きます。
バスは一番前のドアから乗車します。
車内にはチケットの読み取り機が、ドアのすぐ近くに設置してあります。
チケットは有効時間内に何度も使えますが、乗車する際には必ずスキャンしてチェックインを行います!
GVBのチケットならば、降車時にチェックアウトしなくても (忘れても) 問題はありません。
ただ、念のために「チェックアウトをしておきましょう」という運営側のアドバイスです。
こちらは、新しいデザインになったチケット・カード読み取り機。
スキャンする場所は、小さなディスプレイのすぐ下側です。
降りる停留所が近づいてきたら、車内にある赤色のボタンを押して運転手に知らせます。
車両が停車したら、ドア付近にある緑色のボタンを押すと扉が開きます。
チケットのスキャンを音で確認する
チケットを専用の機械でスキャンすると音が鳴るので、その音でチェックイン・チェックアウトが確認できます。
無料のフェリー
アムステルダム中央駅の川沿い側の出口には、対岸とを繋ぐフェリーが運航していて、歩行者と自転車は無料で利用できます!
最後に
以上、アムステルダム市内における交通機関のチケットの買い方と、利用方法をお伝えしてきました。
オランダのシステムは他の国とは違い、チケットをスキャンする必要があるのですが知らない人や、つい忘れてしまう事もあります。
アムステルダムを観光する際には、困らないように参考にしてみてください。